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投稿の詳細: クマを知ろう!「須坂市に棲むクマのおはなし 春夏編」開催しました
2025/06/08
クマを知ろう!「須坂市に棲むクマのおはなし 春夏編」開催しました
昨年の秋に初めて開催した「須坂市に棲むクマのおはなし」ですが、
今回はお話しする内容を「春夏編」として今の季節にしぼっておはなしをました。
もちろん今回も須坂市農林課とのコラボイベントです
まずはクマ担当飼育員のおはなし。
・ニホンツキノワグマの生息地や体のつくり、行動など
・春~夏の行動やできごと(冬眠明けの様子、子別れ、繁殖期、換毛期)この時期特有の行動
・春~夏に食べるもの
・春~夏にツキノワグマが困ること
・春~夏の1日の行動
など、さまざまな視点からツキノワグマの春~夏の様子をお伝えしました。
こちらはちょっとした選択クイズを出題しているところです。
Q「体長○○㎝のクマが出没しました!」さてクマの体長はどこの長さかわかりますか?
①四つ這いの姿勢で頭からお尻(しっぽ)までの長さ
②四つ這いの姿勢で背中から地面までの高さ
③二足で立ち上がった姿勢で頭から地面までの長さ
正解は①です!
クマの場合は四つ這いの姿勢で頭からお尻(しっぽ)までの長さを体調として測ります。
「体長100㎝のクマが出没しました」と聞いたときに小学生学年くらいの身長を思い浮かべるのは間違いです。
体長100㎝のクマが二足で立ち上がるとおよそ150㎝くらいになります。
春~夏に食べるものを写真で紹介。
食べるものからクマの行動を説明しました。
春先は広葉樹や草の新芽を食べます。
草の新芽とは?
代表的なのが「山菜」です。
山菜にはさまざまな種類があるのですべて食べるのかまでは
私自身わからないのですが、
園内で採取できたササノコとタラの芽を飼育個体に与えるとためらいもなく食べました。
タラの芽に関してはあのトゲトゲも平気で食べることに驚きましたが。
クマが「山菜好き」ということは…
山菜取りに行ったら、クマも同じものを探して歩いていることを忘れてはいけません!
出会う可能性はとても高いことが想像できますよね。
また、私たちは山菜を食べなくても他の野菜を食べることができますが、
クマは生活圏にあるものを探して食べて暮らしています。
ですので、山菜取りに行ってもぜーんぶ取ってきてしまうとクマのエサが無くなってしまいます。
そうすると、エサを探す範囲も広くなり畑や人家のある地域に移動することも増えてしまうのです。
そして、クマの一日の行動では
クマは通常「夜行性」ではないことをおはなししました。
驚いた方もいらしたと思います。
しかし、クマにもさまざまな事情や考えがあって
特に夏の時季は夕方から翌朝にかけて夜間行動をすることが多くあります。
理由としては
真夏になると果実の実りが減り食糧に困る→
→どこに行こう?→キャンプ場や畑へ→
→でも人には会いたくない→人のいない時間に行ってみよう→
→暑さを避けて朝や夕方に作業している人に出会ってしまう
などなど、春から夏のクマの様子から起こりうる事態についてもおはなししました。
この後に農林課の方から、
須坂市のクマの出没状況やクマ対策についておはなしをしていただきました。
・出没状況
・クマに出会わないための方法ともし出会ってしまったら?の対処方法
・須坂市の獣害対策
・地域協力でできる対策
・個人個人ができる対策
など
春夏の時季は6月の目撃情報が多いのだそうです。
繁殖期に入るとメスを求めて歩くオスの行動が活発になるからとも考えられます。
須坂市動物園から車で10分もかからない地域にもツキノワグマは生息しています。
今日のイベントで
同じ地域に暮らすツキノワグマのことをたくさん知って、
何か対策ができないか?
など一緒に考える時間になっていたらうれしいです。
動物園ではツキノワグマの体の様子や動きなどじーっくり観察して、
野生だったら?と想像してみてください。
また、須坂市在住のクマのことで気になることがありましたら、
須坂市農林課の方へもお尋ねください。
特に畑の対策に関しても!
次回は秋冬編を開催したいと思っています!
