須坂市動物園日記

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投稿の詳細: 「須坂市に棲むクマのおはなし 秋冬編」を開催しました

2025/10/04

「須坂市に棲むクマのおはなし 秋冬編」を開催しました

ようやく秋らしい気候になって心地よい日が続ています。
そんな中、毎日のようにニュースで野生のクマの目撃情報や被害情報を聞きますね。

須坂市動物園のすぐ近くの山もツキノワグマの生息地です。

今日は、6月に開催した「須坂市に棲むクマのおはなし 春夏編」の
続編として、秋冬編を開催しました。
イベントの日程が書かれたポスター

まずは、ツキノワグマ担当飼育員からツキノワグマの生態をお話し、
そのあと、須坂市農林課の職員から、今年度の野生のツキノワグマの状況についてお話しました。
解説をする農林課の職員と観客

秋冬編ということなので、
夏から秋へ、そして冬へと変わるツキノワグマの生活についてお話しました。

秋はエサが不足する冬を乗り切るための冬眠に向けて、
とにかくたくさん食べる「飽食期」です。

クマの生活区域は食糧が調達できる場所かどうかが重要です。
およそ夏の里山から秋は山林へ移動します。
ドングリやクルミなどの硬い木の実(堅果類)が実る頃になると、
クマはそれらが採取できる山の方へ向かいます。
ドングリ、クルミ、クリの写真
木の実の成り具合によってクマの目撃件数もだいぶ変わるようです。
山林でたくさん採取できればクマは安心してそこで暮らしていけますが、
不作の場合は、里山に残り畑や人家の近くでエサになるものを探すので
クマを見かけることも多くなるということです。

そんなとき、私たちは何を注意したり、準備したら良いのでしょう?

:idea:今年は須坂市動物園のある北信地域は県内でも特に木の実が不作の年のようですので
クマが里山に依存することが予想されるので遭遇への注意が必要です。
実際、市内山側の地域の果樹園ではクマの被害が出ているとのことでした。
果樹などの廃棄物を早めに片づけることや電気柵が有効ですが、
1ヵ所でおこなっても効果は薄く、みんなで協力しておこなうことが重要! 

:idea:山側へ出かける際は「クマ対策」を徹底!!
・一人ででかけない
・鈴やラジオなどで人の気配に気づいてもらう
よく聞く内容で、それ以外に無いの?と思ってしまうかもしれないですが、
基本的にはこの対策がまず一番。
そもそもヒトに会いたくないクマたちは、この対策で人の気配に気が付き
ヒトを避けて移動することができます。

使うことがない方が良いですが…
クマ避けスプレー。唐辛子成分入り。
効果はとてもあるようですが、使い方を間違えると自分が苦しい思いをするので使用方法をしっかり確認してくださいね:.
赤い缶のクマ避けスプレー

イベント内ではまだまだたくさんお話しましたが…
各自治体等でまとめた文書を掲示してることもありますので、
この機会にぜひ確認してみてください。

クマだって、人だってお互い会いたくないのだから
できる対策をしっかりしたいですね。

ツキノワグマ出没注意報が発出されました(9月29日から11月14日まで)須坂市からのおしらせについてはこちらをご覧ください

★おまけ★クマの木の実の食べ方
硬い殻を強い顎の力で割り、中身だけを食べて殻は残します
山林で木の実の殻が大量にあったら、クマの生活圏かもしれませんので要注意です。
皮を残して実の中身だけを食べている様子

須坂市に棲むクマのおはなし開催のおしらせについてはこちらのブログをご覧ください