須坂市動物園日記

須坂市動物園飼育スタッフから情報発信!

投稿の詳細: 新!二ホンイヌワシ舎が完成しました!

2025/01/25

新!二ホンイヌワシ舎が完成しました!

【ガバメントクラウドファンディング(ふるさと納税型クラウドファンディング)】で資金を募り、新二ホンイヌワシ舎を新設しました!
新イヌワシ舎イメージ図
新イヌワシ舎完成!

このクラウドファンディングは、須坂市にふるさと納税することで、須坂市動物園に寄付ができるもので、今回は国産種であり絶滅危惧種でもある二ホンイヌワシの新しい獣舎を作りたい!と資金を募りました。
目標金額の30,000,000円を達成し、この度本園の入り口付近に新しい二ホンイヌワシの獣舎が完成しました。
ご協力いただいた皆様、建設にかかわって頂いた皆様には厚く御礼申し上げます。

クラファンポスター

※材料費の高騰で予算が足りず、当初予定していた工事が延期されておりました。
応援してくださった皆様にはご心配をおかけし申し訳ございませんでした。

現在飼育している二ホンイヌワシ舎よりも高さがあり、横も広くなりました。
中の様子
高さがある
高さがある設計
イヌワシは本来山の深いところに生息しているため、繁殖期に人に見られるのを嫌います。
新獣舎で今後繁殖を行う場合、人の目線より上になるようにしました。

スギの柱
かなり高いので、直立に立てたスギの木をぴょんよんと飛んで上に行くイメージです。

巣台
巣台も1番高い位置に設置。
階段は人が巣まで行けるようにするもので、巣の掃除や卵の確認などで使用します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

二ホンイヌワシは翼を広げると2m、体重も2㎏~3㎏と大きなタカの仲間で、長野県にも生息をしています。
かつては須坂市にも生息をしていましたが、年々数を減らし、生息数は全国に500羽もいないとされています。
繁殖可能なオスとメスのペアも200ペアをきり、このままでは長野県だけでなく、日本から二ホンイヌワシの存在がなくなってします。
二ホンイヌワシを絶滅から守るために動物園での繁殖・維持が必要なこと、二ホンイヌワシの減少原因、
森との関りなどをたくさんの方々に知っていただくことが重要になってきます。

須坂市動物園では、二ホンイヌワシのオス「風輝」・メス「小楢」の夫婦を飼育しており、
全国の二ホンイヌワシ飼育園館と協力をしながら繁殖に取り組んでいます。
この度建設した新・二ホンイヌワシ舎は、この夫婦から生まれた子供たちの獣舎になる予定です。
二ホンイヌワシ夫婦

     ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

二ホンイヌワシの繁殖期は冬で、産卵は3月~4月頃。
現在は繁殖期に入り、夫婦での鳴き交わし、恋鳴き、巣作りが始まっています。
テリトリーに入ってくる担当飼育員への警戒心が日に日に高まり、遠くにいても気づかれるようになってきました。こうなるといよいよ繁殖が始まるのを感じます。
一昨年、昨年と外部からの騒音などが原因で産卵がありませんでしたが、これまでの反省を活かし、イヌワシ夫婦が卵を産みやすく、子育てをしやすい環境を作っていきます。
二ホンイヌワシイヌワシ 小楢