須坂市動物園日記 - 須坂市動物園飼育スタッフから情報発信!
須坂市動物園日記
投稿の詳細: 冬に向けて
2024/10/27
冬に向けて

10月下旬にもなり、過ごしやすい季節になりましたね
園内には、落ち葉が目立つようになり秋を実感しています。さらに、ここ数日朝と夜の寒暖差があるので秋も感じつつ冬に近づいていることも実感しています。
暑さが苦手で、寒さが得意な動物もいれば、暑さが得意で、寒さが苦手な動物もいます。
毛皮の動物には、「換毛期」というものがあります。ただ、毛皮の動物全て換毛期があるわけではありません。換毛期には、日照時間と気温が関係しています。冬から春にかけて日が長くなり気温も高くなることで新しい毛が古い毛を押し出して脱毛させていきます。また、夏ごろになると密度が少ない、粗めの毛が生えます。これを「夏毛」といいます。そして夏から秋にかけては、日が短く、気温も低くなってきます。すると夏毛が抜け、夏毛の下から「アンダーコート」という粗めの夏毛に比べてふわふわとしている毛が生えてきます。これを「冬毛」といいます。
冬毛のタヌキです。
夏毛のタヌキです。
今回は、「夏毛」と「冬毛」で見た目が変わるホンドタヌキについて紹介したいと思います。タヌキの体毛は、「ダブルコート」という構造をしています。人間の場合、一つの毛穴から同じくらいの太さの毛が生えていますが、ダブルコートの場合、一つの毛穴から太く硬い毛の「オーバーコート」と細く柔らかい毛の「アンダーコート」の二種類が生えています。
オーバーコートは、乾燥や害虫などからの皮膚を保護する役割を持ち、アンダーコートは、体温調節の役割を持ちます。そして、アンダーコートが空気を含む性質をもつため、毛の中で空気が保温されて体が冷えるのを防ぎ、タヌキたちは厳しい寒さの中でも生活ができます。
つい最近、もこもこな姿から換毛してスリムになったかと思えば現在は、冬に向けて体がもこもこに戻ったように感じます。
寒さに向けて体も変化しているタヌキですが、展示場のプールの中にも大量の落ち葉を入れました。落ち葉は、断熱材として優れているためタヌキが寒い冬を乗り越えられるように入れました。
落ち葉を入れる前のプールの様子です。左横の臼の中にはふきが入っています。最近はよく臼の中に入って日向ぼっこしています。
落ち葉を入れたプールです。
落ち葉プールの中に入ってこれからの寒い冬を乗り越えてほしいです。
ぜひ、冬毛のタヌキと落ち葉プールでくつろいでいるタヌキを見に来てください
