須坂市動物園日記 - 須坂市動物園飼育スタッフから情報発信!
須坂市動物園日記
投稿の詳細: 「須坂市に棲むクマのおはなし」を開催しました
2024/10/05
「須坂市に棲むクマのおはなし」を開催しました
本日、須坂市動物園×農林課コラボイベントとして
「須坂市に棲むクマのおはなし」を開催しました
ここ数年のクマの目撃件数が益々増え、さらにヒトとの遭遇事故も増加しています。
須坂市動物園のある須坂市も野生のツキノワグマが生息する地域です。
ということで、クマのことをたくさんの方に知っていただくために
須坂市農林課に協力いただいてイベントをおこないました。
まずは、
飼育員によるクマのおはなしから…
園内クマ舎前でツキノワグマを観察しながらおはなしを聞いていただきました。
ツキノワグマの食性や行動の特徴をお話しました。
走る速度が実はとっても速いこと、木登りが得意なこと、川に入ることがあることなど…
前足の器用さや硬い殻の木の実を強いあごの力で割って食べるところも観察してもらいました
クイズも交えて
ニュースなどで「体長〇〇cmのクマの出没がありました」と聞くことがありますが、
みなさんはどちらがクマの体長と言われる長さだと思いますか?
答えはブログの末尾にて!
①後足2本で人と同じように立っているポーズで頭から地面までの長さ
②四つ脚で立っているポーズで頭からお尻までの長さ
ガイドのあとは、農林課からのクマのおはなしを…
ツキノワグマに関して大事な3項目についてお話していただきました
・須坂市のにおけるクマの出没状況
・須坂市の被害対策
・課題とわたしたちができること
須坂市での今年度(4月~9月時点)の目撃またはクマが出没した痕跡がみられたのは44件もあるそうです
昨年と今年は、過去10年の平均数よりも多いようです。
また、農地などの被害予防対策やクマに会わないためのおはなし、
クマに出会ってしまった!!時のおはなしなどなど…
ツキノワグマの毛皮も展示し、実際に触れてもらいました。
「昔はこんなにクマの被害がなかったのになぜ、いまクマが人里によく現れるのか」と思う方もいると思います。
その「昔」と呼ばれる時と現在では私たちの生活環境がだいぶ変わってきていることで
クマの生活スタイルも変化してきています。
クマたちの今の生活を考えつつ、私たちができることも見えてくるようです。
長野県は全国でもツキノワグマの生息数が多い方です。
これを聞くと「怖い」と思うかもしれませんが、
ツキノワグマにとって棲み心地が良い森は自然が豊かな森と言えます。
今の時季、野生のツキノワグマたちは冬眠に備えて
主にドングリなどの木の実を求めて歩き回っている頃です。
木の実の実り具合によってクマの人里への出没件数も変化があるようですが、
今期の須坂市山間地域の実り具合は良好のようです。
ツキノワグマたちも人間に会うことなく、安心して木の実を食べているといいですね。
今回のようなイベントは、また別の季節の様子もお伝えできるように
実施を検討したいと思っています。
さて、上記のクイズの答えです。
答え:②四つ脚で立っているポーズで頭からお尻までの長さ
例えば「体長約120cmのクマ」と聞いて
小学生低学年くらいの身長を想像してしまうのは間違いです!
「体長約120cmのクマ」が2足で立ち上がると、だいたい160~170cmくらいの高さになります。
