須坂市動物園日記

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投稿の詳細: 新・二ホンイヌワシ舎建設について

2024/07/15

新・二ホンイヌワシ舎建設について

絶滅危惧種である二ホンイヌワシを飼育している当園では、新たに生まれてくる二ホンイヌワシの子供たちのために、新獣舎の建設を計画していました。

≪新獣舎のイメージ図≫
新二ホンイヌワシ舎イメージ図

2022年9月2日~12月31日まで行っていた「ガバメントクラウドファンディング」はふるさと納税型のクラウドファンディングで、須坂市にふるさと納税をすると二ホンイヌワシに寄付ができる仕組みです。
たくさんの方に応援していただき、無事目標金額である30,000,000円を達成することができました。
クラファンポスター達成!

しかし、物価の高騰により当時計画していた予算では建設が難しく、建設が先送りになっていました。

建設内容を見直し、7月16日(火曜日)より建設工事を開始できることになりました。
今年の12月頃に完成予定です。

皆様にはお知らせが大変遅くなってしまい申し訳ございません。

二ホンイヌワシは日本在来の猛禽類で、翼を広げると2m、体重は3~4㎏と大型のタカの仲間です。その数はどんどん減っており、近い将来、絶滅してしまう可能性がある動物です。
二ホンイヌワシの狩場の消滅や、人間の活動領域の拡大、人工林の放置による餌不足が大きく影響しています。
絶滅から守るためには、二ホンイヌワシを飼育している園館と協力し、繁殖に取り組む必要があります。
当園では、メスの小楢(こなら)、オスの風輝(ふうき)の夫婦を飼育しており、繁殖に取り組んでいます。
こならとふうき

新獣舎は今後産まれてくる子供たちやその子孫のために必要なものです。
しかし、繁殖をするだけではダメなのです。

野生で生活できる環境を整えることが、二ホンイヌワシが日本で暮らすための必要条件になります。
今回のガバメントクラウドファンディングで二ホンイヌワシに興味を持っていただいた方は多いと思います。
なぜ二ホンイヌワシは絶滅の危機にあるのか、どうすれば守れるのか、それを皆さんに知っていただき、できることを一人一人がやることで、二ホンイヌワシの生息地を守ることに繋がります。
「たくさんの方に知っていただく。」これが今回のガバメントクラウドファンディングの目的でもあるのです。
目標を達成でき、たくさんの方に応援して頂けることを実感できました。
頂いた応援メッセージもすべて読ませて頂きました。

ご協力頂いた皆様、応援してくれる皆様、本当にありがとうございます。
イヌワシ

いつか、須坂市動物園で生まれた子供たちが野生へ羽ばたき、新たな子孫が誕生する未来が実現できるよう願いを込めて。
新・二ホンイヌワシ舎完成まで、もうしばらくお待ちください。

こなら

新・二ホンイヌワシ舎建設に伴い、重機や資材の出入りがあります。
出入りの際には係員が誘導いたします。皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご協力をお願いいたします。

場所:正面券売所前~シロクジャク・ホオジロカンムリヅル舎付近
期間:2024年7月16日(火曜日)~12月中旬