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投稿の詳細: オウム・インコデー 解説!!
2024/06/12
オウム・インコデー 解説!!

6月15日は語呂合わせで「オウム(06)・インコ(15)デー」
この日はオウム・インコの現状を知ってもらおうと日本動物園水族館協会が制定した日です。
オウム・インコの仲間は全体の28%が絶滅の危機に瀕していると言われています
なぜそうなってしまったのか、どうすれば絶滅からオウム・インコたちを守れるのか。
ここでは、須坂市動物園で行ったオウム・インコデーイベントの1つ「オウム・インコデーパネル展」で使用したパネルを用いて解説していきます!!
①須坂市動物園で飼育しているオウム・インコはご存じですか??
ルリコンゴウインコ、セキセイインコ、キエリボウシインコ、オカメインコです。
②オウムとインコの違いは分かりますか??
冠羽があるかないかで見た目の判別ができます。他にも、胆のうの有無、身体の作りに
違いがあります。
③オウム・インコデーってなんでしょう?
多くのオウム・インコの仲間は絶滅の危機に瀕しており、この現状を知ってもらう日です。
6月15日を語呂合わせでオウム(06)・インコ(15)デーと動物園水族館協会が定めています。
④絶滅の危機、どうして? その1
オウム・インコの仲間は色鮮やかな種類が多く、鳴き声でコミュニケーションをとるため、
人間と暮らしていると人間の言葉を話すようになります。
そんな魅力的な鳥たちをペットにするための乱獲や密猟、密輸がおこっています。
結果、野生の個体数が激減し、絶滅の危機に。
⑤日本にはオウム・インコの仲間はいない
日本にはたくさんの野鳥がいますが、オウム・インコの仲間は元々生息していません。
現在はペットとして飼われていた個体が逃げ出し、外で大繁殖。
オウム・インコの仲間は鳴き声でコミュニケーションをとるため、鳴き声がとっても大きい...。
騒音問題にもなっています。
また、排泄する糞尿も衛生的な問題になっています。
⑥「飼う」ということのリスク
ペットにしたいと思うことは自由ですが、ペットとして入手しようとすることでその動物が死んでしまったり、
生息地を破壊してしまうかもしれないのです。
行動に移す前に、よーーーーーーーく考え、調べてみましょう。
かわいいから手元に置きたいではなく、守りたいと思ってもらえると、
今後もオウム・インコの仲間が私たちと同じ地球で生きていくことができます。
⑦絶滅の危機、どうして? その2
家や紙の材料として使用される木材を確保するため、オウム・インコの住処の森の木を
人間が刈り取ってしまいます。
そうすると、住処を失った鳥たちは帰る場所がなく、また繁殖する場所がなくなってしまいました。
結果、子供が生まれず数が減り、絶滅の危機に追いやられました。
⑧日本と海外の森の状況は同じではない
木材を使用するためにオウム・インコ生息地が壊されています。しかし、ここで誤解してはいけません。
「木を切る=森林破壊ではないのです」
日本は世界的に見ても森林が多い森林大国であり、木を植え、間伐し、日の光を入れ、木を切り、
また新しい木を植えることで豊かな森が保たれています。
いわゆる人工林です。これをしっかり管理することで、日本の森に住む野生動物が住みやすい環境にもなります。
木を切ることを悪いことと思い込んでしまうと、日本の森を壊すどころか海外の森林破壊にも繋がります。
⑨では、そもそも森林破壊とはなんでしょう?
森林破壊とは、「人間の都合で森がなくなってしまう事」「弱くなってしまう事」です。
森が無くては森を住処にする動物たちは生きていけません。
「木を切って管理すること」と、「森を切り崩してしまうことは」「人工林を放置すること」はまったく違うのです。
森林大国の日本では、「木を切って管理すること」が森林破壊を食い止めるカギになります!
⑩日本の森林破壊は海外の森林破壊へ繋がる
日本は木がたくさん生えている森林大国です。昔から日本人は「木を切る・植える」を繰り返し、
今でも十分に成長して使える木がたくさんあります。
にも関わらず、「海外から木を輸入しているのです」。
日本に使える木があるのに、なぜ海外から買うのでしょうか?
それは、高齢化で人工林の手入れが行き届かない、林業の後継者不足などが原因で、
海外から木材を輸入した方がコストが安いためです。
そうすると海外の森林破壊が進んでしまいます。
日本や世界へ輸出する木材を確保するため、オウム・インコの生息地が破壊されます。
日本の森の問題は、日本だけの問題ではなく、海外の森・動物にも影響しているのです。
「日本産の木材を利用する」ことが、日本・海外の森林破壊を食い止めることに繋がります!
⑪日本にオウム・インコが生息していなくても、無関係ではない。
日本へペットとして売るための誘拐や巣の破壊、日本へ木材を売るための森林破壊。
「海外の話だから関係ないという事はありません!」
オウム・インコに限らず、海外の動物が絶滅の危機に晒されることに日本も関わっているのです。
⑫では、何ができる??
国産の木を使った物を買いましょう!使いましょう!
国産林を使用した「割りばし」・「家」・「家具」・「食器」などを選び、消費しましょう。
そうすることで日本の森には新たに木が植えられ、整備され、動物が暮らしやすくなります。
そして、海外からの木材の輸入を止めることができれば、オウム・インコだけでなく、
海外の動物たちの生息地の森林破壊を止めることに繋がるのです。
⑬まとめ!私たちにできることは??
オウム・インコは全体の28%もの種が絶滅の危機に瀕しています。
乱獲や環境破壊など、原因は私たち人間です。
「資源を大切にする」「リサイクルの意識を持つ」「国産林の管理・利用」
現状を知り、意識して行動することで、日本の動物も、海外の動物も守ることができます。
これからも動物たちと同じ地球で生きていくために。
できることを一緒にやっていきましょう!
須坂市動物園で飼育しているオウム・インコにも会いに来てくださいね♪
≪セキセイインコ≫
カラフルでにぎやかな18羽を飼育しています!
≪オカメインコ≫
レモンとクリームの2羽を飼育しています!毎日小競り合いしています。
≪ルリコンゴウインコ≫
独り言多めのソラ(オス)を飼育しています!
≪キエリボウシインコ≫
50歳以上のタロウさんを飼育しいています!
昔はおしゃべりしたそうですが、今は聞き専です!
キエリボウシインコのタロウさん以外は本園「とりっこ村」で会うことができます!
タロウさんは天気の良い日にホンドタヌキ舎とワオキツネザル舎の間にいますよ♡
どんどん文字数が多くなってしまいました…。
分からないこと、疑問に思ったことがあると思います。
その時は、調べたり、須坂市動物園の飼育員に質問しに来てくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
