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投稿の詳細: ニホンザル「モン」のはなし
2023/07/15
ニホンザル「モン」のはなし
12:01:36, カテゴリ: 動物園つれづれ日記
動物園本園のニホンザル舎ではオスのニホンザルの「モン」を展示しています。
ニホンザルは日本に生息する唯一のサルの仲間で、北海道など一部の地域をのぞいてほぼ全国的に分布しています。
桃太郎やサルカニ合戦など昔話にもよく出てくるように、昔から日本人に馴染みの深い動物だったのではないかと思います。
そんなニホンザルの「モン」は動物園生まれではなく、もともとは長野県内の山林で生まれた野生のニホンザルでした。
赤ちゃんのころにケガをしているところを保護されて人間に育てられ、その後動物園にやってきました。
来たばかりの頃の姿がこちら。
現在は推定8歳になり、ニホンザルではワカモノからオトナになるくらいの年齢になりました。
現在の姿はこちら。
ケガなどで保護した野生動物は回復して野生に帰れる状態になれば、なるべく早く返してあげることが基本です。
「モンは野生には帰らないの?」と思う人もいるかもしれませんが、それには理由があります。
人間に育てられた「モン」は人間に慣れてしまっていて、この状態で野生に帰ると人間を怖がらずに人間の住む地域に近づいて行ってしまう可能性が高いからです。
これは人間にとっても、「モン」にとっても良いことではないので、ケガなどはなく元気ですが動物園での飼育を続けています。
「モン」の姿を通して、ニホンザルの魅力や野生動物との関わり方についてなにか感じてもらえたらうれしいです。
動物園に来たときはぜひ「モン」に会いに来てください。
※野生動物の飼育は原則としてできません。ケガをした動物などを見つけたら各地域の野生鳥獣担当機関にご相談ください。