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須坂市動物園日記
投稿の詳細: 保護していた「ヤマネ(ニホンヤマネ)」たちが山に帰っていきました。
2018/07/24
保護していた「ヤマネ(ニホンヤマネ)」たちが山に帰っていきました。
母親が亡くなってしまったため昨年の秋から保護していた
4匹の「ヤマネ(ニホンヤマネ)」を野生に戻しました。
保護当時の4匹はちょうど授乳期と離乳期の境くらいでした。
須坂市動物園では今までも野生動物の保護を行っていますが、
ヤマネの保護・飼育をするのは今回が初めて。
どんなものを食べているのか、どんなところで生活をしている生き物なのか・・・など、
自分たちで調べたり、飼育経験のある他の動物園に話を伺ったり四苦八苦しましたが、
4匹とも順調に成長してくれて、ほっとしています。
(保護して間もないころの写真。
手の大きさと比べるとヤマネの小ささがわかってもらえるでしょうか?)
ところでみなさんはヤマネという動物をご存知ですか?
ヤマネ(ニホンヤマネ)は日本にしか生息していない動物で、
国の天然記念物に指定されています。
(背中にある1本の黒い線と毛におおわれた長いしっぽが特徴。
大きな目がかわいらしい姿をしています。)
普段は木の上で生活しています。
夜行性の動物なので日が沈んでからがヤマネたちの活動時間。
動物園で飼育をしている時も日中はほとんど姿を見せませんでした。
(私の知る限りでは1組だけ生でヤマネを見れたラッキーな方が!)
(写真中央やや左にヤマネがいます。夜の動きは活発!)
エサは果実や種子、昆虫を食べる雑食性です。
動物園ではリンゴやミカン、ミルワームのほか園内でとれる木の実や果実をあげていました。
野生に戻った時のため、生きたバッタやカマキリなどを与えることも。
誰に教わるでもなく、しっかり食べる事ができていました。
(ヤマボウシ、アケビなど果実も大好き。モリモリ食べました。)
またヤマネは冬の間は冬眠します。
冬眠中は周りの気温にあわせ体温を調節してエネルギーの消費を抑えます。
(なんと1℃くらいまで体温をさげることができるそうです!)
実際に4匹のヤマネたちも冬眠させて冬を超えてくれました。
冬眠中はほとんど姿を見せず、餌もめったに食べません。
この冬眠の間が一番不安でしたが、冬眠中は邪魔をしない方が良いだろうとじっと我慢・・・・。
(春に姿を確認した時はほっと一安心)
最後に大切なこと。
とてもかわいらしい見た目のヤマネですが、
天然記念物であるヤマネを飼ったり捕まえたりすると違法になりますので絶対にしないでください。
もし姿をみることがあっても、そっと見守ってあげてくださいね。
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