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2024/09/12

須坂市政70周年記念展 「所蔵資料に見る須坂市誕生と町村合併の歴史」

11:03:10, カテゴリ:  

須坂市政70周年記念展
「所蔵資料に見る須坂市誕生と町村合併の歴史」

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市町村合併は、政府が主導しこれまで明治・昭和・平成の大合併がありました。
須坂市は昭和1954年(昭和29)に豊洲村、日野村と合併して誕生しましたが、それ以前、明治時代から町に隣接する村と合併・編入をしながら発展してきました。
旧町村文書は、旧町村が作成し合併後は須坂町、須坂市へと引き継がれ、現在は文書館に移管されています。これまで何回かの庁舎移転をしながらも大切に書庫に保存されていたものが一昨年度から文書館に大量に移管され、今回の展示に至った文書もあります
展示では、明治時代の合併から東村の編入まで、須坂市の成立ちについて各村に残された合併関係文書を展示すると共に、合併が町民・市民にどのように伝えられたのか町報、市報などから振り返ります。

会  期: 9月13日(金)~10月31日(木)
      会期中、展示室は無休
開館時間: 9時~17時(旧上高井郡役所の開館時間とは異なります。)
会  場: 文書館展示室(旧上高井郡役所内)
観覧料: 無料
※「もんじょ紹介(冊子・200円)」などの購入は文書館開館時(平日)のみとなります。

※展示史料は、展示会終了後は閲覧などできます。ご希望の方は文書館で申請してください。

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2024/09/11

文書館収集史料紹介 「大東亜戦果学習絵図」

13:31:41, カテゴリ:  

文書館収集史料紹介
「大東亜戦果学習絵図」(牧幸一郎家文書から)

7月19日から9月8日まで「2024須坂に残る戦時資料展」を開催し、展示期間中「文書館だより」で3回にわたり展示史料の紹介をしてきました。本年は著名画家が描いたポスター・絵葉書等を展示しましたが、童画家も子ども向けの絵図作成に携わっていた資料をご紹介します。
「大東亜戦果学習絵図」はアジア太平洋戦争中、子ども向けに作成・販売された絵図で、展示の絵図は昭和18年12月15日発行の第41版です(初版は昭和17年に発行されています)。編纂及作図者:畠野圭右、発行:国民教育練成会で、販価は1枚25銭となっています。
編さん及作図者の畠野圭右は、『イソップ繪物語』『三びきのこねこ』『こどもおぎょうぎ絵本』等(小学校の図書館にはあったと思います)で知られ、大正・昭和期に活躍した童画家です。子ども向け絵図のため作成に関わったのでしょう。

【絵図】
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全体図だけでは見づらいので4分割にしてみました
(分割図 左上)
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(分割図 右上)
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(分割図 左下)
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(分割図 右下)
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大東亜共栄圏は東アジアから東南アジアにかけての一帯を指していましたが、この地図ではアメリカ軍の基地がある東海岸まで描かれています。
また、地図の特徴として各地の資源・産物が細かく描かれています。これは「大東亜共栄圏構想」が、豊富な資源がある当該地域に日本を中心とした「道義に基く共存共栄の秩序を確立」を目指すこととしていたためです。
絵図の初版は1942年(昭和17)に発行されており、発行の計画は1年以上前には立てられていたものと思われますが、1942年6月のミッドウェー海戦で日本軍は大敗北を喫し、制海権・制空権を失い、以後は各島で撤退が始まります。
この絵図は国民学校の授業で使われたもので、裏面に学年・氏名が書かれています。子どもたちは大本営発表を聞き、この地図で授業を受け、大東亜共栄圏の建設に向け、絵図に記された戦果が続いているものと信じていたのでしょうか。

◆文書館収蔵史料(古文書類、旧町村文書、移管行政文書等)は閲覧等申請していただければご覧いただけます。
※ 申請されてからご希望の史料準備で7日間ほどいただきます。
※ 文書館収蔵史料については、文書館においでいただくか、遠方の方はご連絡ください。

◆次回展示ご案内
須坂市制70周年記念展「須坂市誕生と町村合併の歴史」
期間 9月13日(金)~10月31日(木) 午前9時~午後5時
   期間中無休
会場 文書館展示室(旧上高井郡役所内)
観覧料 無料

2024/08/28

2024「須坂に残る戦時資料」展  展示史料紹介

16:36:36, カテゴリ:  

2024「須坂に残る戦時資料」展 -ポスター・絵葉書・写真類と著名画家たち-
展示史料紹介

今回は、戦争関係絵葉書をご紹介します。
1 陸軍恤兵絵葉書
恤兵絵葉書は戦地の従軍する将兵に配られる無料葉書です。陸軍、海軍共に作成していますが、陸軍のもの10点を展示しています。
[川端龍子]
川端龍子は日本画家・岡信孝氏(須坂クラシック美術館に岡信孝記念展示室があります)の祖父にあたり、昨年クラシック美術館で「祖父龍子 ~川端龍子と岡信孝~」を開催しました。
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[吉田博]
吉田博の絵は、故ダイアナ妃の執務室に飾られていたことでも有名です。吉田は越寿三郎の招きにより須坂を訪れ、鎌田山から見た須坂町の様子を描いており、旧越家住宅では複製画を常設展示しています。

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その他の展示画家
石井光楓、等々力巳吉、瀬野覚造、硲伊之助、崎山喜義

2 横山大観
1940(昭和15)年は紀元2600年の奉祝と大観の画業50年に当る年となり、大観は「山に因む十題」と「海に因む十題」を完成させ、紀元二千六百年奉祝記念展覧会を高島屋(山に因む十題)と三越(海に因む十題)で開催し、1点25,000円で販売しました。売り上げの50万円は全額陸海軍省に寄付しました。陸海軍省はそれぞれ2機の飛行機を献納機として購入し、「大観号」と命名しています。
展示の絵葉書は、大塚工芸社が原画を絵葉書にしたものです。
なお、前回献納機の値段について、昭和14年と令和3年の物価で比較し、約500倍になっていましたので、当時の25,000円は約12,500,000円となります。
【山に因む十題】
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【海に因む十題】
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◆2024「須坂に残る戦時資料」展ご案内
会期:9月8日まで(土・日曜日、祝日も開館)
会場:文書館展示室(旧上高井郡役所)
開館時間:午前9時から午後5時
入場料:無料
問合せ;文書館☎026-285-9041

2024/08/14

2024「須坂に残る戦時資料」展 展示史料紹介

11:06:01, カテゴリ:  

2024「須坂に残る戦時資料」展 -ポスター・絵葉書・写真類と著名画家たち-
展示史料紹介

展示史料に「報国第4443号(翼賛須坂号)〔艦上戦闘機〕海軍省」と題した絵葉書と、「愛国第434(信州婦人)戦闘機陸軍省」と題した、やはり戦闘機の絵葉書があります。

1 献納機とは
戦時中、民間(団体や個人)から集めたお金を軍に供出し、献納された軍用機のことを「献納機」といいます。1932年(昭和7)の陸軍「あいこく1号」から始まりましたが、1943年頃から、朝日新聞の献納運動キャンペーンなどもあって、瞬く間に全国的に広がりました。陸軍は愛国号、海軍は報国号と呼ばれ、献納者などにちなむ名が命名式で付けられました。(高岡市立博物館HPより)
献納にあたっては命名式が行われたり、記念絵葉書が発行されています。
通し番号ではアジア太平洋戦争末期までにおよそ陸軍に約7千機、海軍に約6千機が献納されたといわれていますが、寄附が目標に達せずに欠番となったものもあるようで正確な機数は不明とのことです。

2 報国第4443号 (翼賛須坂号)艦上戦闘機
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○献納機については須坂市誌第5巻の年表で、1944年(昭和19)に「飛行機百機献納運動が翼賛青年団の主導で実施され、須坂町割当額完納を目指して献金が進められる。」という記述があるのみで、その結果については触れられていません。
○長野県政史第2巻に「大政翼賛会県支部主要実践活動一覧」があり、昭和19年「航空機100機献納運動(116機献納)」とあります。
このことから「翼賛須坂」は、翼賛会が主導し献納された116機のうちの1機で、献納されたのは終戦(敗戦)前年と考えられます。
○物資欠乏と情報統制のため新聞雑誌の整理統合が進められる中で、須坂町報も1949年(昭和15)3月31日発行号をもって廃刊となっており、記録が残されていません。
○なお、後述の「陸軍愛国号献納機調査報告」というサイトによると、長野翼賛会が献納した116機は愛国号、報国号を合わせてのものか不明としています。

3 愛国第434(信州婦人)戦闘機
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後述の「陸軍愛国号献納機調査報告」によると愛国婦人会長野県支部から1940年(昭和15)5月6日に九七戦闘機が羽田空港で献納されたとあります。

4 献納機の値段
気になる献納機の値段ですが、軍とメーカーとの交渉記録から執筆された論文が専修大学学術機関リポジトリにありました。
昭和14年当時,戦闘機の機体・発動機はいくらだったのか?
―昭和十四年度機体発動機單價交渉經過報告に寄せて― 建部 宏明 によると
九六艦戦

昭和14年価格 令和3年物価に換算
54,800 27,400,000
58,300 29,150,000 金額の差は搭載する発動機による

file:///C:/Users/D04074~1.SUZ/AppData/Local/Temp/123/MicrosoftEdgeDownloads/00120f8c-86f2-4d82-b84e-dfc8ffc41747/1041_0116_08.pdf
※建部氏論文では機体と発動機に分けて価格交渉した記録から算出しており、この金額には装備品(武器、通信機器など)は含まれていないものと思われます。

5 須坂市ゆかりの方の献納機
須坂市在住者の献納ではありませんが、ゆかりのある方も献納されています。
愛国3・4号を1932年(昭和7)3月に小布施新三郎が献納したという記録があります。これは個人として献納のトップを切ったものでした。須坂市高梨町出身で同町区庵境内に顕彰碑が建ちます(須坂人物誌)。新三郎氏は昭和2年(大正14年ともある)に亡くなられているので、長男で二代目新三郎氏が寄贈したものと考えられます。
氏は個人としては最多の献納をしており、愛国 3(91戦)、愛国 4(88軽爆)、愛国 5(88偵察1型)、愛国 37(91戦)、愛国 137~140(95戦)、愛国 141~142(94偵)と合計10機に及びます。

6 献納機に関する資料
献納機については「陸軍愛国号献納機調査報告」というサイトで、特に陸軍の愛国号についてまとめてあります。
https://www.ne.jp/asahi/aikokuki/aikokuki-top/Aikokuki_Top.html

◆ギャラリートーク開催
展示を行った文書館専門員のギャラリートーク
1 日 時 8月25日(日) 午前10時~11時
2 定 員 10名(先着順)
3 申込み 文書館まで申し込んでください。
  文書館TEL 026-285-9041(平日8:30~17:15)

◆2024「須坂に残る戦時資料」展ご案内
会期:9月8日まで(土・日曜日、祝日も開館)
会場:文書館展示室(旧上高井郡役所)
開館時間:午前9時から午後5時
入場料:無料
問合せ;文書館☎026-285-9041

2024/07/24

2024「須坂に残る戦時資料」展 展示資料紹介1

12:01:19, カテゴリ:  

2024「須坂に残る戦時資料」展 -ポスター・絵葉書・写真類と著名画家たち-
展示史料紹介

(展示紹介)
須坂市文書館では、2022年から「須坂市に残る時争資料」展として、市民からご寄贈いただいた日中戦争前後に戦意高揚・戦費調達などのために国策宣伝として作成・発行されたポスター及び『寫眞週報』(グラビア誌)などの展示を行ってきました。
ポスターなどの原画制作には好むと好まざるとに関わらず、多くの画家たちが関わっていました。題材も戦闘場面、兵士、戦艦などを描いたものから、出征した父が不在の家族像を描いた「銃後」の作品、国威を示唆する富士山などを描いたものもあります。
本年の展示では、こうした様々な意味合いで描かれたものの内、横山大観や竹内栖鳳など著名な画家を中心に、ポスターの原画制作で名を挙げた図案家の作品を展示しています。
また、画家たちの絵画は大画面で広く周知を図るポスターだけでなく、絵葉書にもなり戦費調達に貢献しました。そうした絵葉書と、当時の世相を表す写真類も展示しています。
展示期間中、展示史料の紹介を3回にわたって行います。
今回は著名画家が描いたポスターの中から、戦闘場面や兵器などを描いたものではなく、同じテーマを描いた著名画家四人のポスターを紹介します。

昭和15年改訂版「現代画家番附」日本画家欄の関東之部で一番高額の9千円を付けているのが「横山大観」です。関西之部では竹内栖鳳が一万円と一番の高額を付けています。
今回展示のポスターでは2人とも「国民精神総動員」をテーマとしたものになっています。これは、当初からポスターの原画として描いたものではなく、原画を文部省に寄付したところポスターになったためです。

【現代画家番付】

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【横山大観:天壌無窮、揮毫:近衛文麿(内閣総理大臣)】
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【竹内栖鳳:雄飛報国之秋、揮毫:本庄繁(陸軍大将)】
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戦争の長期化により傷病軍人や出兵家庭の支援・理解を深めるため軍事保護院発行のポスターを小室翠雲、川端龍子が描いています。
【小室翠雲:沸き立つ感謝 燃え立つ援護】
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【川端龍子:守れ興亜の兵の家】
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次回は「献納飛行機絵葉書」についてご紹介します。

◆ギャラリートーク開催
展示を行った文書館専門員のギャラリートーク
1 日 時 8月25日(日) 午前10時~11時
2 定 員 10名(先着順)
3 申込み 文書館まで申し込んでください。
  文書館tel 026-285-9041(平日8:30~17:15)

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