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2025/07/16

文書館だより「江戸時代の本 -人々の学びと楽しみー」展示から

08:46:15, カテゴリ:  

「江戸時代の本 -人々の学びと楽しみー」展示から

前回に引き続き「江戸時代の本 -人々の学びと楽しみー」展示のうち、「楽しみ」に関する書籍3点をご紹介します。
◎狂歌本
『高点 狂歌千歳集』
kyouka

大河ドラマ「べらぼう」の主人公 蔦屋重三郎が営む「耕書堂」が日本橋に店を構えてから出版した狂歌本です。北斎が江戸の名所など挿絵を描き、狂歌と交互に乗せられています。そして蔦屋重三郎が開いた「耕書堂」が紹介されています。

◎草双紙
双紙本は江戸時代中期から後期へかけて、江戸で刊行された大衆的絵入小説の一体で、挿絵とひらがな主体の本文からなっています。
『わかむらさき』
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◎歌舞伎床本
床本(ゆかぼん)とは、歌舞伎の義太夫狂言などで、浄瑠璃を語る竹本の太夫が舞台上で使用する台本のことです。 義太夫の詞章や節付けのほかに、語り出しのきっかけとなる俳優の台詞や演技、竹本の三味線方の譜や演出などに関する書き込みなど様々な情報が書き込まれています。
『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科の段』
kanatehon

◆それぞれの本の概要などについては展示をご覧ください。
◆展示ではこれらの外、江戸絵図・名所、武鑑、俳句、漢詩などを展示しています。

1 会  期: 7月21日(月・祝)まで
2 開館時間: 9時~17時(旧上高井郡役所の開館時間とは異なります。)
3 会  場: 文書館展示室(旧上高井郡役所内)
4 観覧料: 無料
※展示の書籍は、展示期間終了後、以下の期間中は文書館開館中(平日午前9時~午後5時)、予約なしでお手に取ってご覧いただけます。
◎閲覧期間 7月23日(水)~7月31日(木)
期間を過ぎますと閲覧等申請をしていただいてから、ご覧いただけるまで数日いただくことになります。

2025/07/09

文書館だより「江戸時代の本 -人々の学びと楽しみー」展示から

08:47:15, カテゴリ:  

「江戸時代の本 -人々の学びと楽しみー」展示から

文書館では次の通り「江戸時代の本 -人々の学びと楽しみー」展示を行っています。
1 会  期: 7月3日(木)~7月21日(月・祝)
2 開館時間: 9時~17時(旧上高井郡役所の開館時間とは異なります。)
3 会  場: 文書館展示室(旧上高井郡役所内)
4 観覧料: 無料
5 展示内容
 論語注釈書、往来物(寺子屋などで使われた教科書)、俳句、漢詩、狂歌本、草双紙、歌舞伎床本、江戸絵図など

展示では、タイトルの通り「学び」と「楽しみ」に分けて展示を行っていますが、今回は「学び」についてご紹介します。

江戸時代、武士と農民・町人といった厳格な身分制度がある中で、庶民は文字が読めなかったと誤解されることもありますが、識字率は6割を超えていたといわれています。これは藩校や各地に寺子屋が開かれて、庶民が「よみ・かき・そろばん」を学ぶ機会があったためです。書籍はそれぞれの生業に必要な知識・教養を身につけると共に、娯楽が少なかった時代においては貴重な機会を提供するものでした。
須坂市域にどのくらいの寺子屋があったのかは不明ですが、筆塚(寺子屋の師匠を偲んで教え子などが建てた碑)の数が市誌に載っており、91件確認されています。
寺子屋で使われていた教科書ですが、「往来物」と呼ばれるものでした。平安時代末期以来明治初年に至るまで、広く行われた書簡文体の初級教科書の総称で、習字用に字尽くし、名寄せの形式をとったものと消息文例を通して社会生活に必要な礼儀作法や日常百科の知識・心得を教えようとした内容本意のものとに大別することができます。(国史大辞典抜粋)

展示している往来物は
『御手本(商売往来)』
shoubai

『女大学寶文庫』
onnadaigaku

『新編女今川』
onnaimagawa

『實語教童子教餘師』
jitugokyou

『童子千字文』
doushisenjibun

『隅田川往来』
sumidagawa

『泰平江戸往来』taiheiedo

『小笠原流躾方百ケ條』
ogasawara

『菊壽百人一首千代松』
hyakuninissyu

があります。それぞれの概要については展示をご覧ください。

次回(7月16日予定)では「楽しみ」に関する本をご紹介します。蔦屋重三郎の耕書堂が出版した本で、北斎が耕書堂の店先を描いている狂歌本もあります。

※展示の書籍は、展示期間終了後、以下の期間中は文書館開館中(平日午前9時~午後5時)、予約なしでお手に取ってご覧いただけます。
◎閲覧期間 7月23日(水)~7月31日(木)
期間を過ぎますと閲覧等申請をしていただいてから、ご覧いただけるまで数日いただくことになります。

2025/07/02

文書館収蔵資料展示「江戸時代の本 -人々の学びと楽しみ-」

16:34:18, カテゴリ:  

今年の大河ドラマ「べらぼう」の放送もあり、江戸時代の出版文化や当時の人々の読書事情に興味が集まっていますが、須坂市文書館が収蔵する江戸時代の本から、当時の人々がどのような本で学び、教養を高め、また読書を楽しんでいたのかの展示を行います。
 江戸時代の庶民は文字を読めなかったのではないかとの誤解もありますが、識字率は6割を超えていたともいわれています。各地で寺子屋が作られ、生業や生活に必要な「読み書き」を学び、そして娯楽として読書を楽しんでいました。
 そうした素地と出版技術の発達などにより、江戸時代には様々なジャンルの本が出版されました。そして、江戸、大阪、京都などでつくられた本が須坂の旧家(武家・商家・農家)に残されています。当時の人々はどんな本で学び、また楽しんでいたのかをご覧いただけます。

1 会  期: 7月3日(木)~7月21日(月・祝)
2 開館時間: 9時~17時(旧上高井郡役所の開館時間とは異なります。)
3 会  場: 文書館展示室(旧上高井郡役所内)
4 観覧料: 無料
5 展示内容
 論語注釈書、往来物(寺子屋などで使われた教科書)、俳句、漢詩、狂歌本、草双紙、歌舞伎床本、江戸絵図など
◎蔦屋重三郎の耕書堂が出版した本で、北斎が耕書堂の店先を描いている狂歌本や須坂藩11代藩主堀直格の直筆本もあります。
chirashi

2025/06/25

お百姓さんたちの祈りの世界

15:07:55, カテゴリ:  

お百姓さんたちの祈りの世界
 -降雨・止雨を祈る風習-(市川喜太郎家文書から)

農業が天候の影響を大きく受けるのは今も昔も同じです。現在は気象観測の技術が発達して、天気予報の精度が向上し、気候不順などの原因も解明されていますが、江戸時代は気候不順の原因を知る術もなく、ご祈祷に頼っていました。
農業が主要産業で、特に米の豊作・不作が、藩財政のみならず、生命にも影響した江戸時代、須坂藩が主導した「雨乞い」、「天気祭り」の史料をご紹介します。

江戸時代の民衆は、疫癘(えきれい:伝染病など)、時疫(時疫:はやり病)、風邪などの流行病、或いは気候不順・水難・地震・飢饉などの自然災害にあうと、その厄災から逃れるために『ご祈祷』に頼る事がしばしばありました。時には藩が先頭に立って、時には地域で祈祷が行われました。

【雨乞い】
雨が降らないで水が不足し田植えができない。田植えをしても水不足のために稲が育たないなどという時、雨乞いを寺や神社に籠ってご祈祷をしました。

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今年は稀なる旱魃にて難渋に及ぶべく候間、雨乞いご祈祷ご祈願所蓮正寺・蓮台寺ならびに山岸美濃へ仰せ付けられ、明十四日より十六日まで二夜三日の間執行致すべく候間参詣致すべく候。右の趣、其の意を得、村々小前末々まで漏らさずよう相触れらるるべく候
(万延二年)六月十三日

amagoi2
先ごろより引き続き旱魃にて格別の湿りこれ無く、村々難儀たるべく思召され、これに依り明十二日より二夜三日の間、芝宮において農家扶育のため雨乞い仰せいだされ候間、有難く相心得、参詣致すべく候。右の趣、村々小前末々まで漏らさずよう相触れらるるべく候
     (文久三年)五月十一日 御印

【天気祭り】
雨が降らないのも困るが、降りすぎるのも困りました。そういう時も寺社に参詣して「天気祭り」をし、雨が晴れるようにご祈祷をしました。

tenkimathuri
去る月中より降り続く雨天勝ちに付き、万民難儀致すべく、これに依り芝宮ならびに蓮台寺・蓮正寺において二夜三日天気祭りご祈祷仰せいだされ、相済み候ところ、なお又右三ケ所において明十二日より二夜三日天気祭りご祈祷仰せいだされ候間、其の意を得、村々三役人の内申し合わせ壱両人最寄りへ参詣致すべく候。但し三役人差支えこれ有り候はば、その外の者両人にても苦しからず候。右の趣、ご領内村々小前まで漏らさずよう相触れらるるべく候
     (慶応二年)六月十一日 御郡代

2025/05/28

文書館だより「昭和十十一年六月 火薬爆発書類編冊」から

13:52:09, カテゴリ:  

今回ご紹介する文書は、市誌第五巻(歴史編Ⅲ)第二編第一章第四節「労働・社会運動と社会問題」で紹介されている「ダイナマイト大爆発事故」について記述するにあたり使用した文書です。終戦後松代大本営造営用の火薬を県の要請により米子鉱山坑道で保存していたものを、当時須坂町小山字八幡裏にあった中外鑛業株式会社索道原動所へ索道で移し、鉄道運搬の途中にあったものが、昭和21年6月18日12時53分、ダイナマイト及び雷管が爆発し、周辺に大きな被害が生じました。当該文書では事故による被害状況の調査集計と被害家庭等に対する復旧資材の配当の様子が事細かに残されています。それらの中から、県への報告。そして国会議員への陳情と添付された被害状況地図と写真をご紹介します。
【表紙】
hyoushi

昭和21年の記載が「十十一」と大変めずらしい書き方になっています。「二冊の内乙」では「二十一年」となっています。

【被害状況報告書】
kenhoukoku1
kenhoukoku2
kenhoukoku3
kenhoukoku4

事故翌日の19日付で県に報告書を提出

【被害状況一覧表】
higaijyoukyouichiran

一覧表に取りまとめた期日は不明ですが、県に報告した数値は6月18日の爆発発生直後に、各町内会に対し電話により被害状況を調査報告するよう依頼し、翌19日には提出された報告書により被害状況を取りまとめ、県に報告するとともに、復旧資材の確保に着手したと記録があります。

【事故当日及び翌日の対応メモ】
tyousakirokumemo

【陳情書(抜粋)】
chinjyou1
chinjyou2
chinjyou3

昭和21年7月17日付で長野県選出の衆議院議員全14名に宛てた陳情書を提出している。

【被害状況図】
higaichizu

【写真】

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※ご紹介した文書は閲覧等申請していただければ、どなたでもご覧いただけます。ただし、申請していただいてから閲覧できるまで何日かお時間をいただきますので、ますはお電話でお問い合わせください。

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