• 長野県須坂市常盤町804-1
  • 090-9660-2399
須坂市公認ポータルサイト・いけいけすざか

投稿の詳細: 文書館だより「文政期の福島村」

2026/02/12

文書館だより「文政期の福島村」

09:18:34, カテゴリ:  

文政期の福島村(もんじょ紹介№4堀内秀雄家文書から)

1818年から1829年にかけての文政年間と、1804年から1817年の文化年間における文化活動は「化政文化」と呼ばれ、昨年の大河ドラマ「べらぼう」に描かれたように町人文化が隆盛を極めた時期でした。
しかし、貨幣経済の発展により町人が力をつける一方で、幕府・藩の財政悪化により、幕藩体制のほころびがみられるようになってきました。
また、商品経済の拡大と貨幣経済の浸透により、農村でも階層化が進展し、困窮した農民の離農、都市圏への流入が進み、帰郷令などにより対処しようとしましたが、効果が出ませんでした。
このような無宿人などの増加は社会の不安定化の要因となり、幕府や藩は頻繁に「御触書」を出し、統制を図ろうとしました。

今回ご紹介する文書は、松代藩から福島村に出された「御法度」で、百姓がしてはならない内容としています。
例えば
「他所奉公の儀前々より厳重に差し留め置き候」
…他領に行って奉公することは前々から厳しく禁じている。
「賭の勝負事が何の義によらず御法度」
 …賭博は禁止
「無宿・悪党共おびただしく村々を徘徊…召し捕らえさせ」
 …住所不定の者、悪事を働くものが村に来たら捕まえ
などがあります。

これら御法度が出されたということは、文政期の福島村では、街道筋を渡り歩く「無宿・悪党」外多くの人々が、様々な情報を持ち込むに従い、博奕や賭け事が流行っていたと考えられます。
村内から松代や江戸へ他所暴行が増大するなど村内を混乱させ、幕府や藩から「御法度」も威力を失いかけていたものと思われます。
なお、これらの文書は、五人組ごとに一連の文書を福島村役元に宛てて出しています。
松代藩が発した文書と、それに対し確かに承りましたとする村が出した請書について一部省略してご紹介します。

【017-B-64】
issatu1

一札の事
他所へ奉公の義前々より厳重差し留め
置き候処、近年猥りに相成り、他所奉公
稼ぎに罷り出で候者多くこれ有る段相聞き、
甚だ以て心得違いの事に候。以来人詰改め
の節、事により爪印など申し付け儀も
これ有るべく候。且つ賭けの勝負事は何儀に依らず
御法度の義、銘々承知の事にこれ有る処
是又近年猥りに相成り多くの内には
御政道相ゆるみ候などと心得違いの者
もこれ有るや、去る秋以来別けて賭奕いたし
候追々相聞き、甚だ心得違いの事に候
右の趣相背くにおいては、当人は申すに及ばず
組合、三役人迄急度申し附くべく條かねて
其の旨存ずべき
前書き仰せ渡されの趣、村方五人組切明細に
吟味仕り、右等の儀御座無きよう仕るべく候
自然心得違いの者これ有り隠し置き、後日
脇々より達し、お聴きに達し候はば如何様の
曲事にも仰付らるべく。後日のため
連印差上げ仕り申し候、以上。 
 文政五年午閏正月
沖八㊞外9名
 御役元

【017-B-76】
issatu2

一札之事
一 御領内の者高野山参詣の節蓮華
定院宿坊為すべき外へは無用の事に候。右之旨
延享二丑年相達し置き候処、後年により心得
違いの者もこれ有るやに相聞こえ候。向後蓮華
定院の外止宿致す間違い間、漏らさざる様触れ等置くべきもの也
右のとおり去る寅年申し渡し置き候処、大勢の中には
相守らざる者ままこれ有る趣相こえ、当人は勿論
役人共とても申し渡し、不行届き筋に相当り不埒の
事に候。向後急度相守り候様、厳しく申渡し置くべきもの也。
二月
近頃華合わせと名付け子供慰めに相用い候品を以て博奕
同様賭けの勝負専らいたし候哉と相聞こえ、不埒
の事に罷り、い来右躰の義これ有るにおいては
吟味の上急度咎申し付け候間、その旨相
心得べく旨仰せ渡され候間、其の旨存ずべきもの也

一 兼々仰せい出され候通り御郡中村々常々
倹約は勿論の義、婚礼葬式等随分手軽に
取り計らい申すべき事。村に寄婚姻等の節若者
芝戸障子など打ち破り、其の外甚だ狼藉及び儀
これ有るやに相聞こえ不行届き至極の事に候。以来右躰
の義相聞くにおいては穿鑿(せんさく)の上召し捕り厳重の
咎申し付けるべき条、かねてその旨存ずべきもの也。
岡 庄蔵外5名
前文仰せ渡され候趣組合一同若者まで承知仕り、向後
急度相守り申すべく御請け連印一札差上げ申し候、以上。
   文政五午年二月
     与右衛門外8名
     御役元

【017-B-90】
uke

御請
近頃無宿悪党共おびただしく村々を徘徊
致し、農業は勿論諸商売などいたし候
者及び難し儀に候趣お聴き入り候に付、この度
召し捕るため御出役に御座候所、何れも逃げ去り
行え相知れ申さず、これに依りお引き取り後又々
徘徊いたし候者はかり難く候間、村役人
並びに頭立等時々相廻り見当て候わば
容赦なく召し捕り、御役所へ御訴え申上げ
取り締まり方行届き候様仕るべく候。
(中略)
右は村ごと仰せ渡され御座無く候間、最寄り
村々へ申し通すべき旨仰せ渡され、承知畏れ奉り候。
依って御請書差上げ申し候、以上。
前書きのとおり御出役様御廻村向き
おいて厳しく仰せ渡され候趣、此度
御役元にこもごも組切に仰せ渡され一同畏れ奉り
御請けのため一札差上げ申し候、以上
 文政七年申の十二月
   数五郎外2名
 御役元

◆文書館はどなたでもご利用いただける施設です。「こんな史料はないか」「こんなことを調べたい」など古文書や文書館に移管された文書(旧町村文書、須坂市文書)、様々な資料や図書から資料探しのお手伝いをします。
◆古文書等寄贈、寄託のお願い
文書館では須坂市(旧須坂藩域を含む)に関係する歴史資料の散逸・滅失防止を図り、地域の歴史を掘り起こし、研究に資するため、市民共通の財産である須坂市や関係する古文書などの収集・整理・保存・活用を行なっています。
 お持ちの古文書などについて寄贈、寄託していただきますようお願いします。