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第3話
連載小説「早紀」第3話
<第3話>
あれから俺も少し飲みすぎたようで早めにベッドへ。
姉貴はソファーで寝ると言っていたので毛布を貸した、はずだった。
朝、ふと気がつくと化粧品の香りが。
「姉貴の匂いが移った・・・」
なんてこと考えながら目を開けるとそこには姉貴の寝顔。
「うわ!」
俺はベッドから立つことも出来ずそのまま床に落ちた。
「痛って~」
立ち上がりベッドを見ると姉貴が寝てる。
毛布がはだけて・・・
なんで下着だけで寝てるんだよ!!!
「雄ちゃん、おはよ」
「おはよじゃねーよ、ソファーで寝るんじゃなかったのかよ!」
「人肌が恋しくて」
「ばか!俺たちは血のつながった姉弟だぞ!」
「ふっふっふ」
「なんだよ」
「体は正直ね」
姉貴は俺の下半身を指差した。
「・・・」
二人で朝食をとっていると、今日姉貴は仕事で出かけるという。
俺も早紀の新しい担当の先生に会いに行く予定があったので考えた。
何をって部屋のキーが一本しかない。
「部屋のキー一本しかないんだよ、どうする?」
「心配ないわよ、きっと帰りは同じ位の時間になるから開いてなかったらまってるわ」
おまえ、俺の行動予定をしってるのか?
「まっいいや、携帯の番号教えろよ」
姉貴と外でも連絡がとれるように聞いてみた。
「まだ持ってないのよ、今日契約してくるから」
いまどき携帯電話も持ってないのか?
「じゃあ、俺の番号教えておくから」
そういってメモ帳に自分の携帯電話番号を書いて姉貴に渡した。
「ありがと」
姉貴はそういってメモを受け取ると席を立った。
「じゃあ、行って来るわね」
「おう」
詳しい話は、今晩聞こう。
俺も食器を片付けてから家を出て早紀の病院に向った。