投稿の詳細: 29・・・【3月30日 はれ】
29・・・【3月30日 はれ】
No29 連載コピペ
【3月30日 はれ】
引越し日和のいい天気だ。
親父と俺ででかい荷物をレンタカーの荷台に積む。
親父も俺も、目の下にクマをつくりながら必死に運ぶ。
夕べはあれから一時間ほども、語り合った。 特に取り留めのない話だったけど。
早紀と英子さんは、小さい荷物を運びつつ、俺の荷物が減った部屋を掃除してる。
すべての荷物が詰み終わり、みんなで俺の家まで移動。
よくよく考えると、これが最初で最後の、家族4人でのドライブということになるのか。
2時間半ほどで俺のマンションに到着。
家から電車で1時間ってところだ。
なんか、いつでも家に帰れる距離だよな・・・・これって。
「おいおい、けっこう立派な部屋じゃねーか、この贅沢もんが。」
「これが一ヶ月3万の負担で住むんだぜ。いーだろー。」
そこへ早紀が「ねー、私もこんな部屋で一人暮らししたい!っていうかここだったら、お兄ちゃんと二人でも住めなくない?」なんて親父達を前にしてドキッとさせることを言いやがる。 バカ。
着々と荷物の積み込みと、部屋のセッティングが終わり、
いいタイミングで出前の寿司が届いた。
普通はソバなんだろうけど、なんでこんなに奮発するんだろう。
まぁ、寿司食えるんなら別になんでもいいや。
日も暮れて、親父達が帰るって時に早紀は眠りこけていた。
「帰るよ、早紀。」「今日の手伝いで疲れちゃったのね。」
それでも親父に引きずり起こされるとしぶしぶ親父達と車に乗る。
帰り際、親父は、「体壊すんじゃないぞ。 がんばれよ。」と言った。
ちょっと照れた。
俺はけっこう長い間、親父達の車の後ろを見送っていた。
部屋にもどって、まだ梱包が開いていないダンボールに寄りかかって、疲れからそのまま寝た。