投稿の詳細: 28・・・【3月29日 はれ】
28・・・【3月29日 はれ】
No28 連載コピペ
【3月29日 はれ】
「あ、親父帰ってたんだ。 今日も遅かったな。」
「ああ、雄一か。」
「何一人で映らないテレビ見つめてんだよ。怖いぞ・・・」
「はは、別に意味はない。」
俺はトイレを済ませ、リビングのソファーに座る。 親父がいう。
「引越しの準備はととのったか?」
「ああ、だいたいね。 明日は親父、一日中平気だよな?」
「うん。そんなに重たい荷物とかなければな。 俺の年も考えてくれよ。」
「そういえば、なんで最近帰りが遅いんだ?」
「・・・・・いや、特に理由はないんだ・・・」
俺は思った、親父は英子さんと会話がないのか?
そしてそっと親父に言った。
「早紀の病気のこと、英子さんに聞いたよ」
「そうか・・・」
「仕事、辛いんじゃないのか?」
「いやそんなことはない」
親父は自然な表情で言った。
それがかえって、何か問題があるような感じを受けた。
いつもの親父とちょっと雰囲気が違う。
早紀の病気以外の何かがある、これは勘だが。
「何かあるんだったらぶっちゃけちゃえよ、この際。 こうやって親子で話すのも久しぶりじゃん。」
「はは、照れることを言うねお前。」
「まさか、浮気でもしてるんじゃないのか?」
「んなわけあるかアホ。 俺はまだまだ英子一筋だぜ。」
親父の表情がちょっと元気になった。