投稿の詳細: 15 プロローグ
15 プロローグ
この小説フィクションです。
登場人物、団体等のほとんどが架空であり、内容もつくりのものです。
(いよいよ最終回です。。。ありがとうございました)
救助技術大会が近い。
僕は「障害突破」という大会の花形種目で5人一組で出場を予定している。
「遅いぞ!なにやってるんだ!!」
「現場じゃ誰も待ってくれねーぞ、死にてーのか!!」
チームリーダーの僕は、隊員に喝を入れる。
あれから僕は変わった。
一人でも多くの人を助ける、大切な人を亡くして悲しむ人を減らす。
そのための努力は人一倍しているつもりだ。
「救助指令、交通救助・・・」
「行くぞ!」隊員に声をかける。
サイレンが響き、進行すると前方に事故現場が見える。
本部に無線連絡、「救助1現場到着、活動開始!」
「1番員2番員、スプレッターでこの位置よりドア開放!」
「3番人、要救助者保護!」
「4番員、出火警戒、消火器準備!」
次々と隊員達に指示を伝える、「よし!」と歯切れの良い返事が返る。
「救急隊!あと1分で救出完了見込み、待機願う!」
「了解!」
淀みない活動、あのビデオに写っていた救助隊のレベルに追いつけただろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日は、久しぶりの休暇。
抜けるような青空、潮の香りが心地よい。
事故現場のすぐ脇にあるテトラポットから海を眺めている。
「きれいな海だね。。。」
彼女の明るい返事が心の中で聞こえてくる。
彼女が僕に最後に残した言葉「一緒に海がみたいね」。
いま、こうして一緒に見ている。
彼女の姿は見えないが、必ず僕の隣にいる。
そう感じる。
救急車がサイレンを鳴らしながら後ろの国道を走りぬける。
「また、一緒に海を見ようね」
そういい残して、僕は立ち上がった。
また、現場に戻るために。