須坂市報今月号に掲載されていますが 版画家、北沢収治さんのご遺族より、
北沢さんの作品28点と画関連資料を須坂市にご寄贈いただきました。
ありがとうございました
北沢収治さん(きたざわ・しゅうじ 1890-1960)は、小諸市生まれ、
石版画や水彩画、油彩画を学び、やがて木版画を中心に多くの作品を手がけました
日本版画協会の会員として、「新日本百景」のシリーズでは《浅間山晴雪》を制作しました
↓こちらが《浅間山晴雪》。須坂の版画家、小林朝治(1898-1939)が所有していたものです
北沢さんは同じく長野県在住の版画協会会員だった小林朝治とも交流があり、
朝治が編集していた須坂の版画雑誌『櫟(くぬぎ)』にも参加していました
今回ご寄贈いただいた作品の一部をご紹介します
《早春清遊》(1926年作)
《観蛍》(1929年作)
《鹿教湯温泉》
《城跡》
ご寄贈いただいた作品は、来年度「新収蔵品展」でご紹介しますので
どうぞお楽しみに☆☆☆
今日から、二つの展覧会が同時開催で始まりました
「清宮質文展 ~照沼コレクションを中心に」と
「鈴木敦子・岩佐徹展 ~清宮質文さまへ」です
清宮質文展は、茨城県近代美術館所蔵の照沼コレクションを中心とした作品23点と、
版木などの資料もあわせて展示しています
鈴木敦子・岩佐徹展では、清宮質文から影響を受けながら、
自らのスタイルを生み出してきた二人の作家の
今までの作品とともに、それぞれの最新作もお楽しみいただけます
木版画の優しい色づかいにかこまれて、落ち着いたひとときをお過ごしください
7月4日(木)より開催する展覧会のお知らせです
「清宮質文展 ~照沼コレクションを中心に」
「鈴木敦子・岩佐徹展 ~清宮質文さまへ」
というふたつの展覧会を同時開催します☆
7月4日(木) 9月2日(月)
清宮質文展 ~照沼コレクションを中心に
(清宮質文 ある空間(蝶) 1962年 茨城県近代美術館蔵)
版を摺り重ねることで生まれる優しい色調や、どこか悲しみを感じさせるモチーフなど、今も多くの人を魅了している清宮質文の木版画を紹介します。
個人収集家による有数のコレクションとして知られる茨城県近代美術館所蔵の照沼コレクションを中心に、木版画とガラス絵作品約20点と版木などの資料もあわせて展示します
(清宮質文 九月の海辺 1970年 須坂版画美術館蔵)
(清宮質文 葬送の花火 1973年 茨城県近代美術館蔵)
(清宮質文 夜明け 1981年 ガラス絵 茨城県近代美術館蔵)
鈴木敦子・岩佐徹展 ~清宮質文さまへ
同時開催のもうひとつの展覧会では、清宮質文から大きな影響を受けた二人の木版画家を紹介します
清宮質文は後進の作家たちにも大きな影響を与えていますが、大学などの指導者としての職は固辞したため、彼から直接教えを受けたといえる人はいません。清宮の作品に魅了された作家たちは、展覧会などの限られた機会に作品と向き合い、作品に見出した清宮の精神を自らの制作に活かしています
今回ご紹介する鈴木敦子(1968年生)と岩佐徹(1977年生)の作風もまったく異なりますが、それぞれが清宮作品から影響を受け、見出したヒントを制作の糧としてきています
(鈴木敦子 午後の光 2004年 木版)
(鈴木敦子 散歩の途中 2008年 木版)
(鈴木敦子 密かな演奏会 2011年 木版)
(鈴木敦子 白い林を抜けて ガラス絵)(鈴木敦子 夜空の星 ガラス絵)
(岩佐徹 2008年 木版)
(岩佐徹 2010年 木版)
(岩佐徹 2012年 木版)
(岩佐徹 2008年 木版)
関連事業
7月27日にはコンサートとトークがあります
☆お申込み不要 ☆要入館料(300円)
♪ミュージアムコンサート
7月27日(土)午後2時より
出演:宮下静香(チェンバロ)、加藤文絵(メゾソプラノ)
♪岩佐徹アーティストトーク
7月27日(土)午後3時より
皆さまのご来場をお待ちしています
日に日に暖かくなってきました
先日、3月20日の春分の日は、須坂アートパークのモニュメントの影が
美しいハート型になる、年に2回のスペシャルデーでした
当日は観光協会主催の「平安の恋人体験」イベントがあり、
2組のカップルが、「等身大お雛さま」として登場
モニュメントのところで記念撮影もありました
春分の日は過ぎましたが、モニュメントの影はまだしばらくは見頃です
お昼前後の時間にごらんください
そして版画美術館内は、平塚運一の展示室と小林朝治記念室の展示替えをしました。
平塚館は「白と黒の風景」
小林朝治記念室は「小林朝治と須坂の版画誌『櫟(くぬぎ)』」を開催しています
『櫟(くぬぎ)』は、1933(昭和8)年に創刊された版画同人誌です。小林朝治も編集にたずさわっていました。
「櫟」というタイトルは、「木を楽しむ」という意味をこめて、朝治がネーミングしたそうです
また、1934(昭和9)年に平塚運一を講師に招いて開かれた版画講習会の際には、
平塚運一の提案で版画の下絵づくりのために臥竜公園で写生をしたそうです
その時の作品をまとめた『臥竜山風景版画集』も展示しています
小林朝治と、版画の仲間たちによる作品を、ぜひごらんください
前回のブログで、版画美術館の新しいグッズ製作の様子をお伝えしました
今日も、その後の様子を見学してきました!
今回のグッズは、須坂の版画家、小林朝治(こばやし・あさじ 1898-1939)の
作品をモチーフにして、佐久市在住の木版画家、田嶋健さんに
アレンジしたデザインを考えていただいたものです
田嶋さんは、小林朝治と同じく郷土玩具のコレクターでもあり、
時代を超えて共通点のあるお二人のコラボレーションという形でお願いしました
さて、須坂市内の染工場にうかがってみますと、
今日は2度目の染めの作業をされていました
前回紹介した「酔客」の方は、絵の輪郭など
版画でいえば主版にあたる型紙を染めていました
染めあがって、糊を落としているところを見ると…
予想以上にカラフル☆です!
そして、もう一方の郷土玩具をモチーフにしたものは
型紙を使って糊を置く作業をしていました
この大きな容器の中でぐるぐると混ぜられているのが糊です
こちらは一度目の染めが終わった布地
こちらの上に、型紙を置き、糊を刷毛でのせてゆきます。
ずれないようにするのが大変そうです
糊を置いたあとに、おがくずをまぶしてあります
この後、二度目の染めの作業になるのですね
どんな仕上がりになるのか、楽しみです
皆さんにお披露目できるまで、もうしばらくかかりますが
どうぞお楽しみに☆