今回は、秘密の”抜け道”をご紹介します。
須坂クラシック美術館はもともと、呉服商や製糸業、銀行業を手掛けた
牧新七が建てた店舗兼住宅です。
商人の家ではありますが、万が一の危険に備えて二階から一階、そして外へ逃げるための「抜け道」がつくられています。
二階から見える抜け道。現在はこうして公開されていますが、もともとは隠してあったものと思われます。
突き当りの壁の下は、一階に通じています。
普段は目にすることのない天井裏の立派な梁もご覧いただけます。
見えない部分に、こんなに巨大な木材が使われていることに、驚かされます。
抜け道の出口は・・・というと
縁側づたいに進んだ座敷の裏側にあります。
扉を閉めると、こんな具合に出口を隠せるようになっています。
そして、庭の方へ出ることができるのです。
この建物が建てられたとされる明治初期は、世情が不安定であり、須坂でも「須坂騒動」(明治3年)と呼ばれる一揆が起こり、多くの商家が打ちこわしや焼失にあいました。
この家の正確な建築年は定かではありませんが、これだけ立派な邸宅の主は、
時代の中で生き抜く備えをしていたのではないでしょうか。
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