岡田宗之の活動日記

須坂市議会議員

投稿の詳細: 経済建設委員会 行政視察

2017/05/20

経済建設委員会 行政視察

Permalink 13:30:12, カテゴリ: 活動日記  

5月17日~19日

①佐賀県唐津市 「商店街活性化事業・空き店舗対策事業」

②福岡県福岡市 ㈲ケイズブルーイングカンパニー 「フルーツ発泡酒事業」

③大分県豊後高田市 豊後高田市観光まちづくり㈱ 「昭和のまちづくり」

【視察報告】
大分県豊後高田市 豊後高田市観光まちづくり㈱ 「昭和の町づくり」

1 選定理由

 大分県豊後高田市は国東半島の西部に位置し、豊かな自然と温暖な気候に恵まれている。江戸時代から昭和30年代にかけて、県北地域の商業の中心地として栄えた。
しかし、昭和30年代以降、人口は減少し続け、昭和40年の宇佐参宮鉄道の廃線や大型店の郊外への出店による人の流れに変化が起こったことなどから、中心商店街も急速に衰退し、「商店街を歩くのは人よりも犬や猫の方が多い」、「鉄砲を撃っても人にあたらない」とも表現される様相となる 。そのような中、「昭和」をテーマに掲げまちづくりに取り組み、年間35万人を超える観光客が訪れる商店街となった。
 須坂市としても明治・大正・昭和の町並みを活かしたまちづくりが行われているが、活性化の取り組みを参考にするべく視察先として選定した。

2 視察地の状況

平成4年に商工会議所は衰退する中心市街地の起死回生をかけて大手広告代理店に依頼し、再生プラン「豊後高田市商業活性化構想」を作成したが、このプランは文化センターとスポーツセンターを建設し、周囲に商業集積を造るというもので、発表はされたものの巨額の予算がかかるため、お蔵入りとなった。
この失敗を契機に、商業者・商工会議所・行政の三者で構成される「豊後高田市商業まちづくり委員会」を立ち上げ、実現可能な市街地活性化に向けた議論を重ねた。
その結果、商店街が最も華やかで元気だった「昭和」を「まちの個性」としてアピールできれば面白いまちづくりができるということに辿り着き、「まちなみ実態調査」を実施し、商店街の建物の7割が昭和30年代以前に建てられ、多くの店舗が現在の看板(パラペット)を取り外せば少しの手直しで「昭和の店」になることが分かり、平成13年より次の事業に着手した。
①昭和の町並みづくりとして、各個店は「昭和の店」に認定されるために、建物を覆っている大きな看板を撤去し、昭和風の看板を取り付け、アルミサッシを木製のものに変える。これらの外観整備には県の地域商業魅力アップ総合支援事業を活用。
また、店に代々伝わるお宝を「一店一宝」として展示し、店自慢の昭和商品を「一店一品」として販売する。「昭和の商人再生」はお客さんと直接対話し、ふれあうことにより、昭和30年代と変わらないおもてなしをする。参加店は当初7店からスタートして平成28年は43店。
②集客拠点づくりとして、豪商野村家の倉庫(昭和10年頃の建築)を改造して「昭和ロマン蔵」をオープン。「昭和のテーマパーク」として、駄菓子屋の夢博物館・昭和の夢町三丁目館・レストラン旬彩南蔵・美術館(現在はデジタルアート館)で構成されており、昭和の時代にタイムスリップしたような気分が味わえる。
③案内人の育成をすることにより、普通の商店街がテーマパークに変わる。
④ボンネットバスの導入。
このような取り組みを行ってきたことにより、元々が観光地ではないため、ゼロからのスタートで、当初の年間観光客数を5万人と設定していたが、1年目で8万人、10週年の平成23年は40万人を超え、現在は熊本地震の影響下の中、36万人となっている。
当初は昭和の町づくりによる観光客の問い合わせや予約等の受け皿を商工会議所が本業の片手間で担っていたが、来訪者が年間20万人を超えると徐々に苦しくなり、職員のモチベーションも低下し、経費負担も重くのしかかる状況となってきた。そこで平成17年には駐車場整理や団体客の受け入れ等の新しい課題に対応するため「豊後高田市観光まちづくり株式会社」を設立。主要業務として、広域観光振興・昭和の町振興・昭和ロマン蔵運営を行っている。

3 須坂市への提言

 豊後高田市は「昭和」に特化したまちづくりを進めてきた。商業者・商工会議所・行政が立場を超えて共通認識を持って一丸となり進めてきていることが極めて重要と考える。当市においてもまちづくりに対しての共通認識の再確認が必要と感じた。

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