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投稿の詳細: 新嘗祭および大祓いが執り行われました。

2023/10/30

新嘗祭および大祓いが執り行われました。

朝夕肌寒さを感じる季節を迎え、河東相嶌神社の木々も紅葉が進んでいます。
このようななか、10月29日に今年の収穫に感謝する「新嘗祭」と万民の罪・穢れを祓い清め新生を期すための「大祓い」が各組役員の方々により執り行われました。
また、伊勢神宮のお札である神宮大麻「天照皇大神宮」も区民のお宅に配布されました。
なお、各家での人形をした形代でのお祓いの方法は、①形代に家族の名前・性別・年齢を記入。②形代で体を撫でる。身体でどこか悪いところがあればそこを念入りに撫でる。③形代に息を3回吹きかける。これで形代が身代わりとなります。

今回も小布施町逢瀬神社の久保田宮司様からこれらの謂れについて教えていただきましたのでご紹介いたします。

「新嘗祭」とは
新嘗祭は、ニイナメサイとも読みます)これは当年の五穀豊穣を祈念する祈年祭と対称となる祭祀で、秋の収穫感謝祭のことです。
農作物全ての豊作(当時は特に米)・商業・工業・全ての産業の繁栄を神に感謝する祭。我々庶民とっては「例大祭」が重要な祭祀ですが宮中ではこの新嘗祭が最も重く、ひたすら神々に感謝を申し上げるものです。宮中においては毎年十一月二十三日に執り行われ、この日は勤労感謝の日と定められておりますが、戦前は新穀感謝の日とされていました。

「大祓」とは
大祓は元来六月と十二月の晦日(月末)に全国の神社で執り行われます。万民の罪・穢れを祓い清め新生を期すためのもので、夏(六月末)に執り行われる祓は夏越の祓(ナゴシのハラエ)。年末に執り行う祓が大祓(オオハラエ)と呼ばれており厳密にいうと祭ではありませんが、年二回大祓式を行います。形代(カタシロ)といって紙の人形に罪・けがれをうつして川へ流す行事や茅の輪(チノワ)をくぐって罪・けがれをはらいます。
因みに「水に流す」という言葉がありますが形代を川に流す事が語源とされているという説もあります。

「伊勢神宮」とは
神道の本宗であり日本国の総氏神。天照大御神を祀る皇大神宮(内宮)と豊受大御神を祀る豊受大神宮(外宮)を中心にした別宮、摂社 末社、所管社、別宮の125社の総称のことです。他の神宮と区別する為に伊勢という地名を付けて呼んでいますが我が国で「神宮」と言えば伊勢神宮のみです。尚927年に編纂された延喜式神名帳に記載され正式に神宮と呼べる神社は茨城県の鹿島神宮と千葉県の香取神宮の三社のみです。

「神宮大麻(ジングウタイマ)」とは
氏神様や崇敬神社の神札は単に「お札」と呼びますが伊勢神宮の神札は神宮大麻と呼びます。又祭事の際に神職が参列の方々をお祓いする時に使用する細い串に紙が幾重にも下がっている祓い串の事を「大麻(オオヌサ)」と申します。皆様が通称「おんべ」と呼んでいるものです。字は同じで読み方が違っていますが、これには理由があります。伊勢神宮の「おんべ」は紙ではなく麻が使われております。そのお祓いに使用した際の麻を細かく裁断し箱に詰め和紙で包み「一万度御祓大麻」と記されたものが神宮大麻の原型です。その様な事からお札ではなく大麻と呼ばれています。神宮大麻はお手元に届いた際は薄い和紙で包まれておりますが、単に汚れを防ぐ為のもので剥がして神棚にお祀りするのが正式です。
因みに12月の事を師走と申しますが、伊勢神宮下宮の御師(オシ又はオンシ)が全国に大麻を頒布する為に忙しく走り回る様子が語源とされています。その御師の方が直接祭事を司っていたのが小布施町の皇大神宮です。明治期に御師制度が廃止され現在の皇大神社となっています。同時に全国の各神社が氏子の皆様に神宮大麻を頒布する様になりました。