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2023/09/18

例大祭が執り行われました

9月16日に、新しい幟用ポールのもと、当たりまえの日々を神様に感謝しおもてなしをおこなう「例大祭」が各組役員の方々により執り行われました。神楽保存会のみなさんによる獅子舞も奉納されました。今回も小布施町逢瀬神社久保田宮司様から「例大祭」の謂れについて教えていただきましたのでご紹介いたします。

例大祭は、祈年祭、新嘗祭とは違い全国の各神社によって祭日が達います。春に行うところもあれば、夏または秋に行うところもあります。
祭日は、その神社の祭神に縁故のある日や、その神社に因縁のある日を選んで定めるからです。神社で最も大切な日が、この例祭です。「例」を古くは「ためし」と言いました。「ためし」とは「恒例」の意味です。神様に申し上げる祝詞(ノリト)ではこの「恒例」を「つねのためし」と読んでいます。「つねのためし」とは「初めて神様をお祀りして以来、毎年変わることなく」ということです。神社によっては、一番初めにどのような理由で神様をお祀りしたのかが解からなくなっている場合もありますが、毎年繰り返して「祭」が行われてきたことだけは確かなのです。何としても毎年そうしなければならぬ理由があったのです。
それは、「おかげ」への感謝で、多くの人が神様の「おかげ」で健康に暮らすことができ、幸せであったと感じていたのです。
「ありがたい」という言葉があります。「あることが難しい」つまり「まれなことだ」という意味です。では、何が「まれ」であったのでしようか。平穏無事に、不幸な境遇に陥らず暮らせる事、あたりまえの生活の中で健康に過ごすことができる事が、幸福であり、それが「まれ」なことと思われたからこそ「ありがたい」と感じるのでしよう。
現代に生きる私たちは、神様に各自の願いを次々と申し立てています。ところが先人の方々は当たり前であることが実は不思議で「ありがたい」ことなのだと信じていました。その感謝の気持ちは、神様への「おもてなし」という形で表されました。
神社の祭で浦安の舞・神楽や獅子舞・献灯等奉納し、神職が神様に神饌(シンセン)をお供えするのは、神様への「おもてなし」、つまり感謝の気持ちの表れなのです。
私たちの現在の生活の中でも似たことを行っています。遠くから親戚が遊びに来ると、精一杯もてなします。一番風呂に人れ、山海の珍味を用意し、一番よい部屋に泊める、といった具合でした。これとまったく同じように神界からいらした神様を丁重におもてなしし、喜んでいただくのが「祭」の目的です。神様は毎年お見えになり、「もてなし」をお受けになります。こうして人々を祝福なさって再び神界へとお帰りになる。先人の方々はそう信じて、「毎年の祭」を絶やさずに行ってきたのです。