塩爺の配食日記-17
今日で配食を終了する利用者さんがいた。
躁鬱病でこの頃一人でいるのが自身がなくなったという事で、
施設に入居するとの事。
娘さんは一緒に暮らそう…と以前から誘っていたようだが、
やはり嫁に出した家、しかも自営業で娘さんも旦那さんを
手伝っているとの事。
Kさん 「やっぱり嫁に出した娘にまで迷惑掛けられないからね、
お父さん(義理の息子)も是非一緒に暮らそうと言って
くれんだが…」
塩 爺 「…」
Kさん 「私を面倒見るために従業員を雇うわけにもいかないし、
私もいつどうなるか分からないかね」
塩 爺 「でも、Kさん幸せだね、みんなKさんの事、
心配してくれているんだから」
Kさん 「そうだね…」
Kさん、少し淋しそう 。
Kさん 「でもね、私はまだまだ動けるし、自分がちゃんとしていれば
迷惑を掛けないと思うから、就職した気で施設で楽しくやるよ」
塩 爺 「元気でね」
Kさん 「あなたも元気でがんばってね」
躁うつ病がどのような病気なのか、表面的な事は知っていても
患者さんの気持ちまでは計り知れない。
部屋の片付けを娘さんと高校生くらいのお孫さん(男)がやっていた。
気配を感じてか、顔を出してくれた。
娘さん 「長い事、ありがとうございました」
塩 爺 「いや、お母さんにはいろいろ勉強させていただきました」
娘さん 「本当に皆さんに良くしてもらって」
帰る塩爺に、娘さんとお孫さんが「ありがとうございました」
しっかりした娘さんとお孫さんだ。
きっとしっかり者のKさんのDNAだろう。
最後に、玄関の置くからKさんが大きな声で、
「またどっかで合おうね!」
塩爺、なんだか言葉にならず、大きく手を振って分かれた。
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