須坂で110年の歴史を持つ老舗印章店「土屋印店」の5代目、小さい頃から手先が器用で、ごく自然にこの仕事に就いた。
平成22年全国印章技術大協議会において「天空海闊(てんくうかいかつ)」という作品で木口密刻之部金賞を受賞するなどの活躍をされている。
印鑑というより美術品のような美しい印影を見せて頂きました。
「人」にとって非常に重要な役割を果たす印鑑、また会社設立などに欠かせない社印はその会社のこだわりを背負っての製作になる。
その大部分は文字の感じや全体のバランスなどの構想に費やすのだそう。
静かに作業をされる姿、それでいて心地よい緊張感の中に穏やかな時間が流れていくような気がします。
カフェなどのメニューボードや看板に使われるチョークアート作家が須坂にいる、「小泉和喜子さん」この人だ。
凛として美しい。
特殊な樹脂を塗った板にオイルパステル(チョーク)という画材を使い指先でぼかしながら絵を描く。イギリスのパブなどで発展した物なので食べ物の絵が多いが独自のテイストも楽しめ「絵画」としても面白いそう。
本格的に始めたのは2年前、たまたま出会った作品に「ビビッと来た!」。
その気持ちのまま1年間のプロコース、そして講師の道へとティーチャ―コースに進み、現在はチョークアート教室とメニューボード・結婚式のウェルカムボード等のオーダー制作を行っている。
自宅を改装した工房でオーガニック素材を使った優しいお菓子作りを始めた人がいる。竹内真美さんこの人だ。
無農薬、無化学肥料、体に優しいお菓子は素朴で飽きのこない甘さが特徴、市内ではGARDEN SOILに卸している。
お菓子との出会いはお勤めしていたカフェレストラン、「ご飯担当」のはずが「お菓子担当」を任され自然にパティシエとしての経験を積むことが出来たそう。
この春須坂に嫁して最初の印象は、夜景がきれい!そして須坂の巨峰は日本一!と。
蔵や味噌はどこでも目にする機会が多いけれど、「あの巨峰はここにしかない」と語ってくれた。
そしてその横顔が余りにも美しい。
お菓子の味と共にフワリと包み込む優しさとナチュラルな笑顔がとても素敵な人だった。
傘鉾に魅せられ描き続けている人がいる。「角田正雄さん」この人だ。
絵を描き始めたのはかれこれ30年前、県展にも5回の入賞を果した。
活動は多岐にわたる。傘鉾をあしらった須坂市役所の名刺、はがき、新町郵便局の風景入り通信日付印(消印)のデザインも手がけた。
また、毎年臥竜公園で開かれる菊花展の背景画は畳6枚分の大作だ。
本業は100年以上歴史のある老舗「角田酒店」店主。
安価な商品が流通する中で何か特徴を出したいと従来までワインボトルのラベルの絵を描くだけだったが、去年自らワイン用ぶどうを栽培しオリジナルワインの販売を目指す。
「須坂駅を背にして道なりにすすんだ左側」。道の分りにくい須坂にあって非常に説明しやすい立地も魅力、遠方からの来客も多いという。
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角田酒店
須坂市春木町506-3
電話 026-245-0015
フリーダイアル 0120-455015
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須坂の歴史を学び紹介する本を書いている人がいる。「田子昭治さん」この人だ。
出版された本は編集復刻も含め20冊にもなり、このほどその集大成とも呼べる「須坂のお宝読本・文化財散歩」を完成された。
載せられた写真の中のいくつかは見覚えがある場所、そう、見慣れた光景のはず。しかし、にわかに輝きを放って見えるから不思議だ。
本の編集には色んなご苦労もあったそう。
編集の「いろは」から始め、毎日毎日あちこちに足を運び、写真に収め、パソコンで文章に起こし活字にした。
御年77歳、パソコンを自由に操る。20冊分すべてのデータはパソコンで管理しいつでも引き出せる。ご自慢のデータベースだ。
田子さんが思う「須坂らしさ」とは「臥竜公園にある」という。そこは歴史の宝の山、文化財の宝庫であるとご自分の本を手に静かな口調で語ってくださった。