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投稿の詳細: 須坂における自由民権運動のはじまり

2023/04/19

須坂における自由民権運動のはじまり

10:49:56, カテゴリ:  

もんじょ紹介№1 中澤吉四郎家文書から
「須坂における自由民権運動のはじまり」

今年は統一地方選挙の年にあたり4月9日に投票が行われた各地の選挙では、軒並み前回よりも投票率が下がる結果となってしまいました。また、無帳票となる自治体も多く見受けられました。
平成27年(2015)の改正により18歳以上の国民に選挙権がありますが、日本で初めて選挙が行われた明治23年(1890)は国民の約1%にしか選挙権がなかったようです。これも、明治初期からの自由民権運動により実現したものですが、国会開設までには政府による様々な弾圧があり、そのうちの一つとして明治13年(1880)4月5日に「集会条例」が公布されました。集会条例は、政治集会と政治結社を取り締まることを目的とし、政治集会と政治結社が「国安ニ妨害アリト認ムル」場合は、これを認めないこと、陸海軍人・警官・学生・生徒の集会傍聴と結社加入の禁止、屋外集会の禁止、警官が集会に臨席し解散を命じ得ることなどを定めました。
今回紹介する文書は、この条例を受け警察に提出された演説会開催の届け出です。
演説会届1

演説会届2

演説会届3

(書下し文)
明治13年8月24日
演説会御届
上高井郡須坂町 平民 会主 清水為助

御届書
本月27日午前10時より2時まで須坂町浄念寺において演説会
開設に付き演舌者姓名及び該論相添え此の段お届け申し上げ候 以上
明治13年8月24日
上高井郡須坂町 平民 会主 清水為助
戸長 中澤吉四郎

長野県警察署御中
 書面の趣聞き置き候こと
明治13年8月24日

演舌者姓名及び論題
東京府神田美土代町1番地寄留
兵庫県 士族 青木匡
一 府県会権限
一 誰が国会尚早しという
東筑摩郡北深志町483番地
長野県士族 川口萬二郎
一 政治上の思想
一 貧富懸隔論
右のとおり御座候 以上

明治13年8月
 右会主 清水為助□印

※演舌者青木匡は長野日日新聞の主幹、川口萬二(次)郎は同社社員

回状1

回状2

回状
明日26日浄念寺において
主唱者諸君の初度
の集会あい開き候間
御足労ながら午後1時より
ご貢(光)臨あいなりたく、此の段
ご通知申し上げ候也
8月25日
中邨(村)三折
板倉信哉
小田切豊太郎君
小田切辰之助君
小田切新蔵君
山下八右衛門君

中澤吉四郎君
清州勝祥君
青木甚九郎君
遠藤藤次郎君
牧新七君
牧茂助君

※下線付けは回覧済の印。中澤吉四郎留の文書
※中村三折(春木町)、板倉信哉(太子町)は共に医師で政治活動家。小田切豊太郎は後の衆議院議員小田切磐太郎の父。その他すべて後に須坂の行政や製糸業等に関わった町の有力者。