10月9日(日)、高梨神社の秋祭りが行われました
高梨には11種目の演目が伝承されていますが、その中で「高梨の牛獅子(獅子舞)」は、須坂市指定無形民俗文化財に指定されています。
詳細はこちら
http://www.city.suzaka.nagano.jp/enjoy/gakusyu/shiteibunka/gairyaku/zai40.php
今年は、(財)地域創造の助成を受けて、須坂市が委託した専門業者((株)テレビ信州エンタープライズ)が秋祭り全体の様子を記録保存(撮影)しました
祭りの始まりは、高梨公会堂での『宿舞い』です。いよいよ高梨神社の秋祭りのスタートです
『宿舞い』が終わると、笛や太鼓の「道中囃子」を奏でながら高梨神社までゆっくりと練り歩きます。
高梨神社に到着すると、剣を大きく振りかざした獅子が、参道の鳥居に張られた注連縄を切る『〆切り』が行われました
その後、区長さん、総代長さんを始め役員の方たちが神社に参拝をし、8演目の獅子舞いが神殿の前の舞台で奉納されます
この日は10月とは思えないほど暖かかったせいか、人出も多く賑やかでした。
最初に神殿前の舞台を清めるためのお祓いの舞いが『神獅子』です。
後半はひょっとこ面の男が出てきて面白く踊ります
次は『鐘鬼』。黒い髭をはやし烏帽子を被った鐘鬼と獅子が神殿に向かって一緒に舞い、四方八方を清めます。
『お三輪』は、浄瑠璃の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」をもとに上演される獅子狂言です。白足袋に着物姿のお三輪が、恋しい男を思う心情の舞を舞います
『おかめ』は神主と面白おかしい問答の掛け合い漫才です。
『久寿の葉』は人形浄瑠璃の名作「蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」の中の「葛の葉の子別れ」を獅子狂言化したものです。久寿の葉姫に化身した白狐が最後に筆を口にくわえ、子どもへの思いを「恋しくば たずねて来て見よ 和泉なる 志乃田の森の恨み 久寿の葉」と、障子に下から書いたり横から書いたりめづらしい書き方をします
『鬼』は、鬼と獅子が舞台の四方で立ち回ります。
『清姫』は、歌舞伎の「道成寺」の中の「日高川道行」を獅子狂言化したものです。
舞台で演じる最後の演目は『牛獅子』です。
京都の臨済宗妙心寺派の開祖である関山国師が高梨家の出身であるということから、国師の修行当時を劇化したもので、牛方に姿を変えた関山国師が農夫に諭す姿を表現している全国にも例のない珍しい獅子舞です
最後に舞台を降り、道祖神の前で『丹波与作』が演じられました。その後、区長宅と総代長宅に礼舞いをし、高梨神社の秋祭りは終わりました。夕方6時ごろから始まった秋祭りが終わったのは、夜中の11時を回ったころでした。
毎年、秋祭りが近づくと高梨町太々神楽保存会の方たちは、仕事が終わった夜に公会堂でお囃子や獅子舞の稽古をします。
「子どものころから聞き慣れた獅子舞いだから、お囃子の口調や抑揚は耳から自然に覚えたよ」と話されていました
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