投稿の詳細: ぼたもち石積み

2007/05/30

全文へのリンク 11:40:45, カテゴリ: 文化財の紹介

ぼたもち石積み

 「ぼたもち石積み」とは、建物や築地塀の土台に築かれた石積みの種類のことを言います。須坂市内でよく見かけることがあります。全国的には「丸石積み」と言いますが、ぼたもちを思わせる丸みを帯びた大きな石がきちんと並べられていて、まるで重箱にぼた餅を並べたように見えることから「ぼたもち石積み」と呼ばれています。

普願寺、築地塀の石積み
普願寺築地塀の石積み(須坂市にある石積みの中では古いものと言われています)

 ぼたもち石積みは江戸時代から明治時代にかけて盛んに行われました。お寺などでは早い時期から見られたようですが、一般化するのは明治に入ってからのことだと言われています。市川や松川の上流から押し出されてきて丸くなった、直径50cm~1mくらいのほぼ粒のそろった石を使い積んできます。
 積む場合は、基準になる石を決めて端から積んでいきます。その時つなぎ目をアリ一匹入らないように石をカットしてぴったりとつける。基準になった石の角度に沿って平行に印をつけることを「光付け」と言いました。

アリ一匹入らないようにぴったりつけるのが職人の技
アリ一匹入らないようにぴったりつけるのが職人の技

 基準にした石(ネイシ)から横に積んで行き、次に重ね石を積む、上に積むには3方向の石をつけるので一日に一個据えつければ一人前だと言われました。3段、4段となると反りを出したり難しくなり、一度くずすと組みなおすことは難しいと言われています。
 丸石積みは、野沢温泉村平林を発祥とする職人たちによって施工されるようになり、彼らは飯山城や江戸お台場の築造に関わったことが記録に残っています。須坂の石積みも彼らの手によるものが多いと言われています。
参考文献
-野沢温泉村「平林民俗誌」長野県史刊行会昭和57年発行による-

大口伊勢宮にあるぼたもち石積み
大口伊勢宮、須坂市内では比較的新しいぼたもち石積みだといわれています。

 須坂市内を歩くとあちこちで古い民家の築地塀や神社の社殿などで、「ぼたもち石積み」を見かけることがあります。石積みが作られた明治の息吹と職人さんの心意気が伝わってくるようです。

旧信陽銀行のぼたもち石積み
須坂観光タクシー(旧信陽銀行)のぼたもち石積み

普願寺地図はこちら
http://www.suzaka.ne.jp/map/?E=138.31885814666748&N=36.64724610272037&Z=3

大口伊勢宮地図はこちら
http://www.suzaka.ne.jp/map/?E=138.32443714141846&N=36.637914444497895&Z=2

須坂観光タクシー(旧信陽銀行)地図はこちら
http://www.suzaka.ne.jp/map/?E=138.31355810165405&N=36.65201479779343&Z=1

問合せ
須坂市教育委員会 生涯学習体育課 文化財係
TEL:026-248-9027

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