カテゴリ: 須坂クラシック美術館, イベント情報, 季節, 展示, 当館建物のみどころ(歴史的建物・町家建築)

2015/09/20

きものイヤー特別展「小袖‐江戸女性のファッション‐」開催中

当館開館20周年記念として、今年度は一年を「きものイヤー」として、4つの着物展に取り組んでいます。
現在開催中の「小袖‐江戸女性のファッション‐」は、中でも特別展です。

当館で収蔵する着物は、大正末期から昭和期のものが中心なので、江戸時代のものを展示する機会は大変貴重です。
今回は、当館で収蔵する「着物」の原形である「小袖」をぜひご覧いただく機会をつくりたいと考え、きもの文化の伝承と文化財保存を目的として、個人の方が収集したコレクションを出品協力いただき、実現した展覧会です。

「小袖」とは、袖の大きさに関係なく、小さな袖口をもった衣服の総称で、現在の着物の原形です。
平安時代に、その形が出来上がり、当時の支配階層であった公家の装束の表着「大袖」に対して、「小袖」が存在しました。
公家は、大袖の下着に絹製の小袖を着用し、庶民や武家(庶民から身を立てた)は、麻製の小袖を下着や表着として用いました。

鎌倉時代以降、社会の支配階層が公家から武家へと移り、桃山時代には経済力をもった町人が現れます。そんな社会状況を背景として、庶民や武家が着用していた小袖が絹製となり、服飾の中心に移り変わり、華やかな加飾技法が発達していきました。

江戸時代の封建社会の中で、桃山時代にはほとんど違いのなかった男女間の衣服の違いが生じました。
「表」の世界にいる男性は自由な衣服選択がほとんど許されず、一方「奥」の世界とされる女性には、社会秩序を乱さない限り、比較的自由がありました。
そのため、身分・階層の違いによる好みや美意識が小袖に反映されて、時代による様式の変遷や流行現象が現れ、小袖のファッションが華開いていったのです。

また、『小袖雛形本』という出版物が刊行されていました。
これは、小袖模様が多数収録された、当時のファッションブックといえます。
見て楽しむだけでなく、小袖の注文にも使われていました。
本展では、小袖とあわせて雛形本を展示しています。
当時の女性たちが、見て楽しんでいたかと思うと、心ときめかせた気持ちが手に取るように分かる気がします。
江戸時代に、このような多彩なファッションが繰り広げられていたということに、間近に触れて、改めて驚きを覚えました。

ぜひ、江戸女性のファッションの世界をお楽しみください。

2015/02/14

建物のみどころ 座敷と釘かくし

クラシック美術館の母屋には、「取次の間」「中の間」「座敷」(仏間)「奥座敷」と
いうお座敷が続いています。

長押には、釘隠しがつけられていますお座敷によって違うモチーフが使われているんですよ。(取次の間にはありません)


矢印が示しているのが「釘かくし」です。
長押と柱やつり束(鴨居や長押がたわまないように上から吊り支えている木材)が交差した部分には大釘を打つのだそうです。その釘の頭を隠すための化粧金具です。

中の間は松です。

接写してみると、細かい描写まで施されているのが分かります。88|

座敷(仏間)と奥座敷は鶴です。
鶴は長寿の象徴で縁起が良いですね。
鶴と松の組み合わせも、着物などでもよく見られる身近な吉祥文ですね。


近寄って見ると、わっ、迫力・・・

これは、「柏の葉」をかたどっています。新しい葉が出るまで、古い葉が落ちないということから、子孫が途切れなく繁栄していくことを願ったものといわれます。

ほかの釘隠しは一部屋にいくつもつけられていますが、
柏の葉だけは奥座敷のさらに奥のガラス障子の場所につけられています。
しかも、ただ一つだけ。
そこに特別に大切な願いがこめられているように感じられます。:.

2015/01/31

建物のみどころ 階段

母屋座敷の傍らにずっしりと構える階段。
段の下が物入れになっており、とても便利です。

こんな三角スペースにまで律儀に扉がついています。

ケヤキの材を贅沢につかっています。
一段ごとに、「滑り止め」が彫り出されています。
一枚板の表面をこのためだけに彫りだすというのは、大変贅沢なつくりです。

ここには、鯉の埋め木細工が:D

木目を水の流れに見立てて”鯉の滝登り”です。
節目やキズを隠すためといわれていますが、縁起もかついで、いいですね!
職人さんのアイディアに感服です。
ぜひ探してみてください。

さらに、表からは目立たない、段の裏部分をご覧ください。
ここには、大きな一枚板が使われているから驚きです。

階段だけでも、こんなに見どころがたくさんあり、日本家屋の奥深さを改めて感じます。
手すりのつけられない階段なので、申し訳ありませんが、滑り止めをしっかりと踏みしめて、くれぐれもお気をつけてお上がりくださいね;)

2014/12/23

建物のみどころ 縁側

建物のみどころをご紹介します。

こちらは縁側です。
廊下の役割だけでなく、ひなたぼっこや夕涼みなどの時間を楽しめる場所でもあります。

旧・牧家の縁側はガラス戸になっています。

歪みや気泡がある昔のガラスで、眺める景色も違って見えるような気がします。

腰板は「無双腰板」といって、

このように、板がスライドして換気ができるようになっているスグレモノです。

この縁側をつたっていくと、お座敷の裏に出ます。
なんとここには、2階からつながる抜け道の出口が!!あるのです。

出口がどんな風になっているかは、お楽しみとしておきましょう。

そして庭へと続きます。ここは奥座敷とつながっていて、
このガラス障子の戸を開いて行き来することができました。
(現在はガラス保護のために締切となっています。)

2014/12/20

日本家屋で楽しむ雪景色

例年より早く雪が積もりました。

雪景色の館内をスナップしてみました。


屋根の形がそのまま雪で包まれました。


庭にある祠も綿帽子をかぶりました。


主家座敷。お休み処として、お炬燵を用意しています。


組子細工の書院から、光がうっすらと差し込みます。


奥座敷のガラス格子から見える景色。
明治時代の歪みあるガラスから見る景色は趣があります。

寒い冬ですが、この日本家屋だからこそ楽しめる贅沢な風景です。

<< 前のページ :: 次のページ >>

検索

リンクブログ

須坂のリンク

いろいろ

このブログの配信 XML

須坂市公認ポータルサイト・いけいけすざか