5月も終わりに近づき汗ばむような日も増えてきました。畑では作物が育ち、あちこちの田んぼには水が入り始めています。
さあ、いよいよ田植えの季節です
5月28日日曜日。空には太陽をうっすら隠すおぼろ雲。暑すぎず雨も降らず、田植えには最高の気候となりました
今日の田植えには、須坂創成高校の3人の生徒さんと先生が一緒に参加してくれます
はじめの会では、大きなパネルを使ってお米に関するクイズの出題や、稲の植え方の説明をしてくれました。
農家先生たちは、事前に田んぼに水を入れ、畔の草刈りや「代掻き」をし、田植えの準備は万端!
農業小学校の今年度のテーマのひとつは【昔ながらの農業を体験してみよう】。
今では機械を使うことが多い田植えを、みんなで協力してひとつひとつ手で植えますよ
靴を脱ぎ、おそるおそる田んぼに足をふみいれます。
冷たい! 豊丘の水は予想以上に冷たくてびっくり。そして足の指の間から出てくる泥の感触にあちこちで声が上がります。気持ちいい?気持ち悪い?…面白い!
先生の号令に合わせ、子どもと大人交互に一列に並び稲苗を3本ずつ植えていきます。
進むのは後ろ向き。転ばないように気を付けて。
「ここはもう少し植えられるよ」「こうやって植えるんだぞ」
先生が教えてくれます。だんだん慣れてきたかな?
そして、
やったー!
みんなで最後まで植えることができました。
頑張ったね!
田植えの後は灰野神社の水神さまへみんなで豊作を願いました。
良いお米がとれますように。
田んぼから帰ってきたらわらび採り。たくさん採れた太いわらびは今日のおみやげです。
採ったわらびのあく抜きの方法も先生が教えてくれましたよ。
そして楽しみな農家先生手づくりおやつは、具だくさんの五目おこわ。
今日の田んぼで昨年採れたもち米で作ってくれたそうです。
みんなで植えた今年のお米も美味しくなるといいですね
5月13日土曜日、第19期信州すざか農業小学校豊丘校の2回目の授業が行われました。
前回の授業から2週間、作物はどうなっているでしょうか?
授業の前のはじめの会では、みんなで空を見上げます。この日は、空一面を真っ白く雲が覆って、暗くはないものの少し怪しい空模様。
「この雲は空のとても高いところにある上層雲で、今日はこの後段々雲が下がってきて雨が降ります。その手前のもっと低いところには積雲もでていますね。」
気象庁予報官だった教頭先生が教えてくれました。曇り空にさらに別の雲が出ていたことにびっくり
授業中のお天気は持ちそうなのでさっそく畑に行きましょう
畑には前回植えたじゃがいもや
とうもろこしや
かぶが芽を出していました。
嬉しいね。早く大きくなあれ
さあ今日もいろいろな作物を植えますよ
まず落花生の苗作り。薄皮を被ったピーナッツそのものの落花生の種をポットに蒔きます。
種には“発芽率”というものがあり、芽がでない種もたくさんあるのだそうたくさん芽が出ると良いね
そんな発芽率がとても良かったのがこの作物。なんだかわかる?
これは前回みんなで蒔いたかぼちゃです。
今回9割近くの種が芽を出したそう! 葉っぱも大きくてとても順調に育っていますよ
今日はこの苗を畑に植えましょう。
ポットを逆さにして、チョキの指で芽のまわりをおさえながらそっと出します。難しいけどみんな上手!
出した苗はマルチをはったうねに植え付けました
続いては長ねぎの植えつけ。
細くて小さいねぎは握りこぶし一つずつの間隔で、深いうねに並べていきます。
土をかけるときは、①根っこが出ないように②白いところにはしっかり③葉が分かれているところから上にはかけない の3つを守らなくてはいけません。
注意深く作業します。注意深くたくさんの苗を植えました。
ちょっと珍しいところに植えているのは長いもです。
まっすぐになるようにパイプを使って育てるのだそう。切り口に石灰をつけてある7センチほどのタネイモを、パイプの上の方に横向きに置いて植えます。
先生が畑に埋めてくれたパイプは120センチ!こんなに長くなるのかな?
ポップコーンの種も蒔きました。黄色いポップコーンとカラフルなポップコーンです
最後は収穫!
これは玉ねぎの"ねぎ坊主(花芽)"です。昨年植えた玉ねぎはまだ収穫には早いのですが、花ができてしまうと固くなってしまうのだそう。そこで、花がついてしまった玉ねぎは収穫し、おいしくいただきます
小さいけどちゃんと食べられますよ。農家先生によると、花は天ぷら、玉ねぎは刻んで油味噌がおすすめだそう。
前回も収穫したニラもまた育っていたのでこちらも収穫して今日は終了。
教頭先生の言った通り、曇り空の下でしたが雨も降らず無事今日の授業ができました
帰りには農業小学校のニラを使った先生特製のにらせんべいが配られました。
おみやげもたくさん収穫できましたよ
次回はいよいよ田植えです。
熱中症対策をしっかりしてお越しください
須坂市豊丘地区の遅い春も盛りを過ぎ、桜の木も徐々に緑色に変わってきた春の朝、名残の花びらとともに寒さの残る春風にのって元気いっぱいの子どもたちの声が聞こえてきました
今日は、2023年度信州すざか農業小学校豊丘校の入校式です!
19年目を迎える今期は、須坂市内外から30名の小学生が入校しました。
「みなさん、よく来てくれました!」
子どもたちは校長先生の温かく力強い言葉で迎えられ、これから冬まで一緒に活動する農家先生やサポーターの皆さんとご対面です。
よろしくお願いします
入校式に続く第1回目授業のはじめの会では、校長先生からクワの使い方を教えてもらいました。
すっかりベテランで畝づくりに慣れている人から初めて農具を触る人もいる農業小学校。みんなが楽しく安全に作業をするためにきちんと覚えておかなくてはいけない大切なことです。
そのあとの農小クイズでもクワの使い方の問題が出されました。しっかり校長先生のお話を聞いていた子どもたち、みんなが全問正解
さあそれではいよいよ畑に行って農作業の開始です。さっそくクワを使ってじゃがいもとトウモロコシの畝作りに挑戦してみましょう。
実際に動かしてみるとちょっと難しいかな?
頑張って作った畝にタネイモを並べ、肥料も間にまきました。
トウモロコシの畝には、タネを2粒ずつ。「トウモロコシの種が赤いのは、消毒がぬってあるからなんだ」先生が教えてくれました。
こっちの畝には里芋を植えます。
この畝だけ、寒いことや乾燥が苦手な里芋のためにマルチがはってありました。タネイモを植えるときには、マルチにあいている目印の穴を手で広げて穴を掘って植えます。
結構力がいるよ
今度はかぼちゃ。こちらは直接畑に蒔かずポットに種を蒔き苗を作ります。
ポットに土を入れたら種を1粒ずつ植えました。
真っ白な種のこのかぼちゃは「はくしゃく」という種類なんだそう。どんなかぼちゃができるんでしょうか?
小さな小さな種はカブ。この種にも消毒をしてあるので青く色がついています。
強い風に飛ばされてしまわないように慎重に蒔いていきます。土もかけすぎないように注意して。
頑張った作業の最後にはおみやげのニラを収穫し、今日の授業は終了。
今日だけで5種類も作物を植えました!
作物によって種の形や大きさはさまざま。そして植え方もそれぞれ全く違います。
どうして2粒ずつ植えるの? ポットに植えるのはなぜ? 種に色がついているよ?
みんなが色んな気になることも農家先生は説明しながら丁寧に作業を教えてくれました。
作業後は、寒さが残る春の強風の中でも最後まで一生懸命取り組んだ子どもたちに、農家先生からお手製の美味しいおやつがくばられました
入校のお祝いに、昨年度農業小学校で収穫したもち米を使ったお赤飯。可愛いピンクのお赤飯は今豊丘でちょうど見ごろとなっている八重桜色です
お疲れ様。おうちでみんなで食べてね。
次回は5月13日土曜日。長ネギや長いもの植え付けを行います。
第19期入校生のみなさん、これから冬まで一緒に楽しんで活動していきましょうね
12月3日土曜日 第18期農業小学校 最後の授業日。
霜で辺りは一面まっ白となり、身を刺すような冷たい空気に冬の到来を感じさせる朝です。
澄み渡った真っ青な空の下、雪化粧を帯びた北アルプスを朝日が照らす雄大な風景が子どもたちを迎えます。
白い息を吐きながら今日も元気いっぱいに農業小学校が始まりました
はじめの会の農小クイズはお米と大豆の問題。お米からできるさまざまな食べ物や調味料をみんなで考えます。
大豆の問題は栄養について。それから、「みんなが蒔いた700粒 250gの大豆からどのくらい収穫できるか」。
この答えは今日の授業で!
というわけで、今日の授業では大豆の脱穀を行いました。
お米の時はもみとわらにわけた「脱穀」。大豆の時はさやから豆を出します。
先生が収穫して干しておいてくれた、カラカラに乾いた大豆の枝を……
たたく!
たたく!
まだまだたたく!
棒でたたいて、さやから豆を落とします。
もう全部落ちたかな?
落ちた豆を集めて、ざるでふるい、さやなどを取り除きます。
そしてここで登場するのは「とうみ」。
これは、上から豆を入れてハンドルを回すと中の羽根でゴミを飛ばす昔の農機具です。
農家先生に教えてもらいながら順番に体験しました。
さあ、それではここでクイズの答え!
700粒 250gの大豆は……
8.5Kgになりました!
おっと、これだけではありません。みなさん覚えていますか?9月には枝豆を収穫しましたね。それが約4Kgあったので、今年の収穫は全部で約12.5Kgになりました。
ここから、虫食いや傷んでいる豆などを取り除き、来年用として保存します。
後半はいよいよ修了式。
4月に入校した第18期信州すざか農業小学校の41名の生徒たちは、めでたく全11回の授業を修了します。
たくさんのことを教えてくれた校長先生から、代表の児童へ修了証が手渡されました。
続いて校長先生から、作物を育てるためには手間をかけ工夫をしてさまざまな作業を行うこと、そして一粒の種や苗から立派な作物ができたことを、今年の授業を振り返りながらお話ししていただきました。
市長さんにも、日本一の農業小学校!と太鼓判を押していただきました!
そして、今年の授業を振り返った動画の上映。さまざまな思い出がよみがえります。
児童代表あいさつでは、3班班長さんが授業で感じたことや学んだことを堂々とお話してくれました。
そして子どもたちから先生へ、感謝の気持ちを込めて記念のカードを贈呈します。
保護者の方からもお話をいただきます。授業では、子どもたちとともに作業をするだけではなく色々なお手伝いもしていただきました。
修了式の後は、記念の修了証をもって農家先生たちと写真撮影です。
もちろん今日もお楽しみのおやつはありますよ。
朝早くから農家先生が作ってくれたお祝いのぼたもち。
3種類も入っています。畑で育てた食用菊の甘酢漬けと、白菜の切り漬けも入っていろどりも鮮やかなごちそうおやつ
おみやげだって、ちゃんと先生方は準備してくれました。
大きい白菜に大根、ブロッコリーに春菊、かぼちゃに長ねぎ……重ーい!
最後は農家先生全員で子どもたちを見送ってくださり、第18期信州すざか農業小学校豊丘校は終了しました。
お疲れ様、この体験がみんなにとってたくさんの実をつける種になりますように。
またみんなに会える日を待っています。
朝晩ぐっと冷え込むようになり一気に山が色づいてきました。
秋は山から、の言葉通り農業小学校のある豊丘はすっかり秋景色。そんな秋深まる11月5日、農業小学校第10回目の授業が行われました。
秋といえば「食欲の秋」
今日はおやつに前回収穫したさつまいもを焼いてくれるんですって!
そこで畑に行く前にみんなで焼きいもの準備です。
たっぷり用意したさつまいも。授業の間に農家先生が焼いてくださいます。終わるころにはおいしい焼きいもができているはず!楽しみですね。
さて、秋は食欲だけではありません。収穫の秋でもあります。
今回は春から育ててきた様々な作物をたくさん収穫しますよ
班ごとに分かれて作業開始!
こちらの班が収穫しているのは何でしょう?
大きな葉っぱ!
…ですがお目当ては土の中。スコップを使って掘っていきます。
とても力のいる作業。うちの方やお友達と協力して、ようやく掘り上げたのは…
里芋です!
大きな土の塊のように見えますが土を落としていくと小さい里芋が姿を現し始めます。これをもぎながらさらに土を落とすとだんだん大きい芋の姿が出てきます。
真ん中の太い茎の根元の芋を「親芋」、そこについている芋を「子芋」、さらに「孫芋」と、一つの株から大小さまざまな芋がバケツに一杯とれました。
こちらで山岸先生が掘ってくれているのは…
同じ芋でもなが~いおいも。そう、長芋です。
春にパイプに入れて植えたのを覚えていますか? あの短い種芋がすくすく伸びてこんなに長くなりました。
中にはこんなかたちの芋も
土が固かったり、石に当たると曲がって育ってしまうそう。だからパイプが必要なんですね。もちろん形はヘンテコでも美味しくいただけますよ。
続いては冬野菜の定番の大根や白菜。よーく選んで収穫します。
どれも立派!
これはなにかな?
大きな葉っぱの真ん中にあったのはブロッコリー
夏の間に校長先生が植えてくれていたブロッコリーは、生えている姿を初めて見る人も多くみんな興味津々で先生が収穫する様子を見学しました。
続いてこちらも初めて見る人が多かった作物。
枯れた葉っぱを掘ったら下から出てきたのは
落花生! 一つの種からできた株の下にはたくさんの実がついていました。
「花が落ちて生る」と書く落花生。その名の通り花が枯れた後、土に潜って実をつけるちょっと不思議な育ち方をします。この土に向かって伸びていくのは子房柄というそう。はじめの会の農小クイズで登場しましたね。ちなみにとりたての落花生は30分ほど茹でれば美味しく食べられます。これはおわりの会で農家先生が教えてくれましたよ
収穫だけではありません。来年に向けて玉ねぎの植え付けも行いました。
今年もたくさんの玉ねぎを収穫しましたね。あれは昨年の農業小学校の生徒の皆さんが植えてくれた玉ねぎです。今年も、来年の入校性の皆さんがたくさん玉ねぎをとれるようにしっかり植えていきましょう
玉ねぎの苗は細くて小さいけれど、寒い冬も雪の下で耐えて越すことができるのだそうです。
植えた後は冬の寒さに負けないようにもみ殻をまきました。
さらに先生方がとっておいてくれた長ネギもいただき今日の作業は終了
抱えきれないほどの今日の収穫。どれもはじめは小さな種や苗だったなんて信じられないくらいどれもたくさんの実をつけたり、大きく立派に育ちました。
そして、たっぷりのお土産を持って戻ったみんなを迎えてくれたのは、あたり一面に漂う焼きいもの匂いこれはもう匂いだけで美味しい!
農家先生が焼いてくれたおいもは、アルミホイルの上からでも柔らかく、中はとってもとろとろ。最高の焼き加減でした。
そして先生方お手製のおやつは農小のかぼちゃを使ったサラダです。豊丘特産のサラダケールとソルガムが入った特製サラダ。
あまり耳になじみがない作物ですが体にとっても良いのだそうです!
食用菊や里芋の親芋、落花生の食べ方も先生方が教えてくれました。
自分たちでとったたくさんの野菜のほかにも、前回脱穀したもち米や食用菊、山岸先生から頂いたヤーコンもお土産に並び、皆さん「収穫の秋」を実感してくれた模様。
さあ次回12月3日はいよいよ最終回。大豆の脱穀をした後は修了式を行い、とうとう今年度の農業小学校もおしまいです。あと1回。最後までみんなと農作業をするのを楽しみにしています。