◆昭和40年2月25日指定◆
井上氏は、11世紀後半から16世紀後半まで
井上を拠点としていた信濃源氏の名門で、
高梨氏・須田氏などの祖ともいわれています
井上氏館跡は、井上氏の本拠地と考えられ、
南方に位置する山城と併せて長野県史跡に指定されています
館はおよそ一辺100mの正方形で、
西南隅の一部が「入角(いりすみ)」
といわれる約10m四方が欠けた形をしています。
またその周囲には幅約11mの堀が巡らされていました
平成14年の春に堀の一部を発掘した結果では、
深さが約2.5mで、底が平らな
「箱堀(はこぼり)」とよばれる形をしていて、
角地にあたる壁面には、石積が施されていたことがわかりました。
当時は、水をたたえていたと考えられています。
戦国時代になると、強力な戦国大名を輩出できなかった信濃の国は、
甲斐の武田信玄の侵攻により、越後の上杉謙信との甲越合戦の場となりました。井上氏も一族が分裂し、それぞれの家臣団に組み込まれ、
先祖伝来の在地支配から離れることになります。
武田氏滅亡後は、上杉家の家臣団として、
景勝や、海津城将となった須田満親(みつちか)のもとで活躍していきます