須坂市指定無形民俗文化財 平成元年10月1日指定
高梨町では、面(めん)神楽(かぐら)や獅子狂言など9種類の演目が、高梨神社の秋祭りに奉納されています。中でも牛獅子は、二人で四つに組んだ牛獅子と、高梨出身と伝えられる関山国師が登場する貴重な民俗芸能です。
牛に紛した獅子が、牛方に連れられて登場し、牛方は後を追ってきた農夫と話をはじめます。牛方は焼餅を牛に与え、自分も食べながら農夫と語り合ううちに、雨模様になったのに気づき牛に飛び乗り立ち去るというものです。牛方と農夫のやりとりの軽妙さ、焼餅を食べる動作など笑いを誘う場面もありますが、牛方に姿を変えた関山国師が農夫に諭す姿を表現しているとされています。国師は美濃の山里に隠棲(いんせい)し、牛を飼い笛を吹きつつ人々を教え導いたという伝承があります。
高梨町には、中世豪族井上氏の一派高梨氏の館があったと伝えられ、関山国師ゆかりの品として、なすがらの笛と呼ばれる笛が町の宝として守り伝えられています。
牛獅子は、二人がほろに入り牛の形をつくります。
*関山国師と妙心寺
鎌倉から室町時代の臨済宗の僧。法名慧玄。花園(はなぞの)上皇の求めにより、建武4(1337)年京都に妙心寺を開山。妙心寺は臨済宗妙心寺派の本山として現在も京都に大伽藍を有しています。
広報すざか 須坂市の文化財シリーズ26
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