須坂市指定有形文化財(平成22年3月9日指定)
東照寺は、元和2(1616)年に相之島に創建されました。元禄14(1701)年、千曲川の洪水で伽藍(がらん)が流失し、翌年米子村名主の招きで現在地へ移転再建されました。
現存する米子の本堂は、安政5(1858)年に建立されたもので、棟札(むなふだ)に「大工棟梁(とうりょう) 亀原和太四郎藤原嘉博」とあります。間口12間(約22メートル)、総欅(けやき)造りで、円柱や虹梁(こうりょう)などが豪壮な浄土真宗寺院のひとつです。
浄運寺本堂とともに平成21年度有形文化財に指定された欄間(らんま)は全部で7枚あり、北信地方で活躍した3代亀原和太四郎嘉博の代表作のひとつで、60歳頃の作といわれています。本堂の内陣と外陣を仕切り、中央の竜に、左右各3頭の竜が対になるように配置されています。また、瑞雲(※)の彫刻以外は欅の白木(しらき)造(づく)りで、深く鋭いのみさばきで彫り物を際立たせる、嘉博得意の技法です。これらの彫刻は気品と風格が感じられ、当時の工匠の腕がしのばれます。
※瑞雲(ずいうん)=めでたいことの前兆で現れる雲
広報すざか 須坂市の文化財シリーズ23
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